第3話 夢日記をはじめる②

家に帰って俺は現実逃避の本の続きを読むことにした。


「ええっと、なになに」

俺は本を開く。


「現実を忘れたい」という願望は、人間にとって本能的なものであると言われています。過去の嫌な思い出や、現在のストレス、未来への不安など、人生には様々な負の感情が存在します。それらから逃れるために、人は様々な方法を模索することがあります。例えば、アルコールやドラッグ、ゲームや映画、旅行や趣味、そして睡眠などです。


私たちは日常生活で多くのストレスを抱え、それに対して適切な対処法を見つけることが大切です。しかし、現実逃避が過剰になり、自分自身が問題を抱えていることに気付かなくなってしまうことがあるかもしれません。そうならないよう、現実逃避をすることが前提であっても、自分の心身の健康を守るためにも、程々にすることが重要です。


現実逃避には、様々な方法がありますが、ここでは睡眠に注目したいと思います。睡眠中は、人間は現実世界とは別の世界に入り込むことができます。夢を見たり、深い眠りに落ちたりすることで、現実を忘れることができるのです。


「ん? 待てよ…。こ、これは…!?」


その時、ふと夢日記のことを思い出していた。というのも自分は中学生の頃はほんの少しの間だけ夢日記を書いていたことがあった。

しかし、夢日記を書き続けると精神が壊れる可能性があるという情報をネットで見て、怖くなってしまいやめたのだ。



「もうあの頃の俺とは違う。いっそのこと俺の現実なんて壊れてしまえ! ちょうどこのクソみたいな現実に飽き飽きしてんだよ!」


自分の夢を記録することで、なにか自分の内面に気づき、新たな発見をすることができるかもしれないとかすかに思った。

どうせこのままつまらない人生が続くぐらいなら、いっそ夢にかけてみても良いんじゃないかと思った。


「よし、夢日記をつけてみよう」と思い立ち、すぐにノートを取り出した。過去に書いた夢日記は捨ててしまったようなので新品のノートを開いてこれに書くことにした。



「さてと、今夜から早速夢日記を書いてみるとするか。クックックッ。夜が楽しみだぜ! 早く夜が来てくれねぇかな!」

なにかが変わるようなそんな予感があった。夢日記を書くことで、きっと自分自身が知らなかったことや、見過ごしていたことに気づくことができるはずなんだ。それはきっと大事なことなんだ。


現実で生きていると自分自身に向き合う時間などなかなかないし意識も向かない。夢の中なら自分自身を見つめることができるかもしれない。

そして数時間が経過して深夜になっていた。


「あれ? 興奮して眠れないぞ…。おかしい、こんなはずではなかったのに!」

目がバッキバキになっていた。寝ようとすればするほど眠気は遠ざかる。これは次の日の学校が寝不足で大変なことになりそうだ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る