第20話 暗殺者→ぶえっくしゅん
「簡潔に聞こうか。パエラ様の手先?」
返事はないか。でも、そういうことだよな。俺を捕まえにきた。恋愛鑑定させるために。
えー、恋ぐらい自分で叶えろ。俺はいつでも自分の色恋ざたで忙しいんだぞ。
フードと布で顔を隠した男。腰にはナイフが収められている。
「俺がせっかく、パエラと二人きりになれる場所を選んだってのに。無意味だったわけね」
せこいなパエラ。
だが、不意討ちを失敗して、姿をさらしたお前はもう終わりだ。
「
あと、攻撃力だけど。俺は力でねじふせるより、もっと楽して勝ちたい。
「もう一度言う。いっしょに来てもらおう」
「宮廷にって言うんだろ? やなこった。強制ステータスオープン」
スィン。ヒュン。
手のひらに収める。楽に勝つ方法は? 書いてるかなぁ。
「表ステータスは。ふーん」
シュシュ!
何か飛んできた。ゆっくり読めないだろ! 手裏剣? 早い!
「うお!」
頬をかすった。痛った。血が出ただろ。
でも、ステータス画面を読みたい。俺はステータス依存症なんだ。
画面を見ていると幸せなんだ。
それだけで幸せなんだ。
手のひらでツルツルの画面をこすってるだけで、指も幸福感を得られるんだ。
【名 前】 トキムネ
【種 族】 人間
【レベル】 600
【体 力】 800
【攻撃力】 530
【防御力】 500
【魔 力】 480
【速 さ】 1060
【固有スキル】なし
「どうりで動きが早いわけか。ぐわっ!」
腹を蹴られた。湿った夜の草原を転がった。
くっそ、一気に距離を詰められた。
「ぐっ。っく。俺の、至福の時間……。俺の至福の時間を邪魔したな! 裏ステ……裏ステ……」
「力づくでもつれていく」
「ああ、そうかよ。俺は裏ステと、女湯しか興味ないからな。もう鑑定はしないんだ。女湯の鑑定以外はな!」と叫んでから地味に指でめくります。
ペラリ。
裏ステータス
【魔 法】なし
【特 技】縄縛り、金縛り、術縛り
【弱 点】コショウ
深層心理……極楽浄土
願望……任務から解放されたい。
過去……いつまでさかのぼりますか? 年数を選択して下さい。
ははははは! みーーーーっけ!
楽に勝つ方法!!!
俺の前では、どんな特技を持っていても弱点をさらけ出した時点で無意味!
「過去を見るまでもないな。お前、俺は今いいものを持ってるぞ」
そう、懐にな。
「調味料はダンジョンで不可欠だからな」
「何を言っている?」
「お前の弱点はコショウなんだろ?」
「なぜそれを! パエラ様にクビになった能無し男の分際で!」
「やっぱりパエラの使いか! ついでに俺の悪口言うな! まあいい。食らえ! 文字どおりな!」
ダンジョン帰りの俺に、持っていない調味料はないのだ!
懐から取り出す。コショウのステータスオープン。
スィン。
【名 称】胡椒 学名 piper nigrum
コショウ目コショウ科コショウ属のつる性植物
【原産国】イイーンド国
【用 途】香辛料
使用例、調味料。嘔吐、下痢、腹痛への薬用効果あり。
警告! 人の目や鼻に投げつけて使用しないで下さい。成分のピペリンでくしゃみが出ます。
俺はコショウのステータスの警告を無視して、
「ぎゃああああああ! ぶえっきし! ぶえっくしゅん」
うわ、めっちゃ効いてる。こっちが引くわ。
「目に入ったああ」
「鼻じゃないのかよ! まあいい、毒でも食らってろ」
スパイクつきの
「ぐあああああ」
「痛そう」
とどめに、矢で射る。暗殺完了っと。
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