第2話

ゲームが届くまでの間はとてつもなく過ごしずらかった。

なぜなら母親から不思議な目で見られすぎているからだ。

俺がゲームや漫画などを大切にしていたのを知っているので

もう自殺でもするんではないかと思っているのかもしれない。

いつもより数段優しくなった。いやまあいつも優しいが。。。

だからこそ、今までずっと働かずに家に引き籠ることが

許されているのだろうけれど、何か少し居心地が悪い。

なんというかもう少し邪険に扱われるべき対象の人間なのだ。

それを優しくするとは、母よ、その子のためにはならんぞ。

当事者である俺が思うくらいなのだから異常にまみれている。


そんなことを語りながら俺の目の前には最新式のハードと

最新のVRMMOがそこにある。

今回は同時配信をするためにゲームは先に届くが

ゲームのサービス開始は今日の夜からなのである。

俺にはゲーム開始までにしなければならないことが沢山あるのだ。


まず一つ目が我が城に兵糧と飲み物を備蓄しなければならない。

理由は単純明白で説明するまでもないとは思うが、MMOとは

戦場であり、一刻の時間も惜しい。となると食事やらで

席を離れるのは最小限にしつつ、食べる時間も最小限に

とにかく一秒でも長くゲームがしたい、いやこれは遊びでは

ないのだよ!遊びでは!戦なのだよ!


この日のためにカロリーメイトとエナドリを買いためていたのだ。

選ばれし理由は栄養価が地味に高いことと眠気に打ち勝つことで

プレイする時間が増えるという作戦だ。


二つ目に母親が我が城に入ってこないようにする作戦である。

これの対処法は正直もう適当で大丈夫だ。入らないでください。

と、部屋のドアに紙を張り付けておけばいい。


とりあえず現実世界での俺のやるべきことは終わったわけだ。

リリース開始は夜中の2時からだが、現在時刻は21時。

残り時間が5時間しかないがこの5時間すべてを使って俺は

ゲーム内でのキャラクリに専念しなければならない。

キャラクリなんて適当にすればいいじゃないかと思う人も

いるかもしれないがそれは愚直!キャラクリこそがすべてといってもいい。

現実世界ですら見た目というステータス自体で優遇を受けたり、

邪険に扱われる世界なのだ。それhゲームの世界でも対して変わらない。

それもVRMMOだ。上から見下ろしていたようなゲームのキャラクリとは

違って一人称視点でさらにVRで見られるのだ。

そこでまず大切なのが性別選択だろう。俺は迷わず男を選んだ。

多くのVRMMOに参加する俺のような人間達は女の子を選んでネカマをするのかも

知れないが、それではいけないのだ。

基本的にMMOでは女の子キャラが多いが、女の子のプレイヤーは少ない。

おっさんとおっさんがイチャイチャしているのは見るに堪えないだろう。


さらに今回はVRMMOということで女の子の参戦者も多いと聞く。

ということは、女の子とイチャイチャするにはかっこいいクールな男キャラで

生きていくしか方法はないのだ。女の子同士という展開もいいが、、

正直この俺がしゃべり口調を女の子でやっていける自信がないというのが

正直な理由なのだ。ネカマバレだけは避けたい。人権剝奪のようなものだ。


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遂に完成した。俺の俺だけの俺のための超絶イケメンキャラ。

俺はホモではないが、正直こいつに抱かれるなら本望であるといえる。

それほどまでのイケメンキャラを作り出してしまった。

今回大事なのはキャラの見た目だけではなく、キャラ作りも大事なのだ。

きっとチャラチャラした男は好かれないだろうからやめておこう。

そして俺自身を出してしまうと多分認めたくないが好かれないだろうから

それもやめておくに越したことはない。

ぐぐーる先生が言うには女の子はギャップ萌えするクールな男に惚れやすいらしい。

ただし、イケメンに限る。

この言葉は今回に限ってが全く何の障害にもならない。

なぜなら俺は確実にイケメンだからだ。、、、ゲームの世界ではな。。

俺が目指すべきはクールなちょっと抜けてる感じの男だ。


ゲーム開始の残り時間、俺は倍速でいろんなアニメの男をみて

かっこいい男について研究を重ねることにした。

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