第43話 再びあの地へ①
再びロゼッタ達の世界にたどり着いたアリスさんと私。
この世界の感覚がとても懐かしく感じるが、思い出に浸っている暇はない。
アリスさんが言っていた「およそ二時間」の間に広大な世界でロゼッタ達を探さなければならないのだ。
「さて、ここからはこれを使うかな」
「…?なんですかそれ?」
「これ?これは相手の位置を特定できるアイテム。でも、それだと間に合わない可能性もあるから今回は設定を変えてっと…」
アリスさんは魔法で蛇が巻き付いているようなデザインのかなりごつい見た目をしたターボライターのようなアイテムを取り出すと、蛇の頭を上にあげ、横にあるダイアルをカリカリと操作し、火をつけるようにフリントホイールを回す。
すると、ピンっと一本の光が西の方角へと向かって伸びた。
「なるほど…街の方か…。結衣ちゃんって箒乗れる?」
「いえ…」
「そっか…。けど大丈夫だよ!自転車と同じ!はい!」
ロゼッタ達の目的地が多分分かったとなると、アリスさんは魔法で箒を二本取り出し、一本を私に渡すと自分は別の箒に跨りふわふわと浮き始めた。
自転車と同じと言われても、地面で走るものと空を浮くものでは違うと言いたかったが、今はそんな時間はない。
ここは、アリスさんの言葉を信じて自転車のように乗ってみる事にした。
箒に跨り、自転車を発進させるかのように両足で地面を蹴ってみると、スーッと浮きながら進んでいき、先端を上げてみると高度が上がっていく。
最初は怖かったが、操作方法を何となく理解するとアリスさんの言っていた意味が少し分かった気がした。
「あの、今のでロゼッタさん達の居場所が分かったんですか?」
「んー正確には「およそ」の位置かな。私の魔力はロゼッタ並みに強い訳じゃないから未来位置の特定ってなるとおよそのしか出せないの。まあ、ロゼッタの魔力がずば抜けちゃってるから敵わないんだけどね」
私達は箒で飛びながら目的地であるおよその位置へと移動した。
その間、私は前いた時から凄いと思っていたロゼッタの魔力の事について色々聞いてみた。
アリスさんが言うには、ロゼッタの魔力は他の魔法使いと比べてもずば抜けており、例えるなら有能な魔法使い複数人いても敵わないレベルらしい。
その話を聞くと、ロゼッタの能力がとてつもないものだと改めて知った。
そんな会話をしながら西の方へと飛んでいるとアレゲニーのような街が見えてきた。
「ここかー」
「アリスさん、こんな街あったんですか?」
「あー、結衣ちゃんは分からないよね。この街は最近出来た街なんだ」
「そうなんですか」
この街の名は「リフマルス」というらしく、飛びながら見た感じだと時計台と橋がある感じロンドンのような街並みだ。
そして、私たちはその街の真上を飛んでいるとある建物の前で一本の光が途絶えた。
どうやらあのビルのような建物らしい。
ここから先は何が起きるか予想ができないため、とても緊張する。
ここでの行動でロゼッタ達を救えるかどうか決まるからだ。
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