やりたいをやろう!

安藤尚樹の友人である鈴木忠勝は最近度々思うことがあった。

〈今おれは運動不足なのではないのかと〉

部活動の仲間達とバドミントンやらをやりたいのだが今は自粛期間のせいで現状は外に出れない。

そんな状況の中ふと誰もが思いつきそうなそして天才的な発想を閃いたのだ。


【ゲームで運動をすればいいじゃないか!!】


ということで忠勝は昔、友達を家に呼んで遊んでいた時以来使っていなかったゲーム機を収納部屋から引きずり出して自室に持ってくる。

なんと忠勝が持ってきたのは家でも外でランニングした気分になれるゲーム機だった!

このゲーム機は人がバランスボードのような機械の上に乗り、体重をかけてそのかけた量によってキャラクターを操作することができるフィットネス専用ゲーム機だ。


今日は尚樹とやっているMMORPGに緊急のメンテナンスが入っていてプレイができないのでそれが終わるまでは仕方なくほかのことをやるしかなかった。

さっそく忠勝はゲーム機を起動してただひたすらランニングをするゲームをプレイしてみる。

自分の顔の特徴を似せて作られたキャラクターが堂々と胸を張りながらスタート位置に着き合図が鳴ると同時にその場で足踏みをするととキャラクターが走りだしていった。

このゲームのやるべきことはいたって単純でその場で足踏みをするだけだがペース配分を気を付けないと注意されてしまう時があるのでテンポよく足を上げて走ることになるので思っているよりも途中から足が疲れてくる。

ゲーム画面ではランニングをしている島の風景を見ながら走ることができそのキャラクター以外にもランニングを楽しんでいるキャラクターが大勢いて犬なんかも走っているときがある。

犬に追い抜かれたときは負けずと追い抜き返すことをしている。無理をするとこけてしまうが。

とにかくその島には自然豊かな風景が続いていて街にビーチに火山、草原などがある。

今回は40分長いルートをずっと同じ風景を走り続けるコースを選んだが他のコースではまた違った風景を楽しみながら走ることもできる。

さらにこのゲームはただ足踏みをする単純な作業なのでもしテレビにつないでいる場合は画面を切り替えテレビを見ながらランニングをすることができる。

なので同じゲーム画面に飽きてしまった場合などはテ画面を切り替えテレビを見たり録画を撮りだめしている物を消化することもできるのでとても便利になっている。

なので自分はテレビではなくたまに自分は手にタブレットを持って動画を見ながらやっていることもある。

ずっとゲーム画面を見ながらやっていると途中から変な孤独感に襲われるからそうならないようにしている。


何とか30分が経過したがやはり最後の方は足を上げるのが多少きつくなってくる。

ゲーム画面の方ではスタート位置に最初は数人ぐらい自分が周回するたびに応援してくれていた人が増えていって今となっては大人数が周回するたびに応援してくれている。なんとも心強いことか。

最後の10分間はゲームの画面を見て楽しみながら走った。

時間になると集計に入り走った距離がランキング形式で記録される今回は三位止まりで一位は子供のころみんなと協力して叩き出した高スコアがあり、二位は母さんの記録になっている。

(あの人どんだけマラソンガチでやってんだよ!)


と思いながら少し休んでいると下の階から母親の声がしてご飯ができたと呼んでいた。

階段を下りてリビングに向かうとテーブルには俺の好きなペペロンチーノが置かれていた。

テーブルに座ると後から父さんも階段を下りてきてテーブルに座り母さんも席に着く。

手を合わせいただきますと言ってから食事を食べていると母さんが俺の顔を見てきて


「なんかあなた疲れた顔してない?二階で何やってたの?」


と聞いてきたからそんなに顔に出てたかなと思い笑顔で返事をする。


「最近部活もやってなくて運動不足だったから二階でフィットネスのゲーム機で遊んでた」


そういうと母さんは


「あらっあなたが持って行ってたのね。私もやろうかと思って探してたんだけど見つからなくて」


父さんがそれを聞いて


「母さんが久しぶりあれやるのか……なんか懐かしいな」


確かにあのゲーム機は元は母さんが買ってきたゲームでありそれにちなんで俺もやっていたんだった。


「さっき終わったからこっちに持ってくるよ。リビングのテレビの前にでも置いておくね」


母さんからありがとうといわれて父さんが


「母さんあれすぐ飽きそうなだな~」


と言ってきた


「飽きないよ!これでも昔は確か高スコア出してたんだから」


「そういえば母さん周回コースで二位って走りすぎだよ!」


「二位ってwマラソン選手じゃないか」


なんか知らないけど話が盛り上がってきてしまい俺の好きなペペロンチーノが冷めてしまった。

結局この日の夜は母さんが数分立たずに飽きてしまい家族みんなでやるすごろくゲームで盛り上がった。

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