第60話 子供たちの社交会



「エルーナ、ノア、着いたよ!」


はぁ、着いてしまったか…

めんどくさいけど仕方がない!



俺たちは、ハイルデン東区にある、スプリンガット公爵家の別邸前に到着した!


国王陛下が思いつきで言った、子供たちの為の社交会に出席するためにね…はぁめんどいめんどい


今回は子供たちだけの参加になるので、年上の姉さんから馬車をおりる


普段なら軽くスカートをつまみ、外にいる御者の人のに手を取られて降りるのだが、今回の衣装は着物だ!

いつものようにスカートをつまむ動作をしたが、当然その指は空を切り、かなり恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら降りていった。


いつもは朗らかな姉さんだけど、あんなに可愛らしい一面もあるんだと少しびっくりだ!


俺も背筋を伸ばし、綺麗な姿勢で一段一段踏み台をおりて、地面に着いた


たかが馬車からおりるだけの動作にいちいち気を使うとは、本当にめんどくさい!


地位が高い貴族様は、こんなのばっかなんだろうな、お疲れ様!



ーーーー



馬車から降りると、侯爵邸の玄関で待機していた使用人さんに案内され、スプリンガット公爵の別邸を歩いていく


「それにしても、大きなお館だね! 案内の人がいないと迷子になっちゃいそう」


「ええ本当にノアの言う通りね!、うちなんかとは大違い!」



当たり前だよ! 田舎の吹いて飛ぶようなうちと、こんな大貴族比べるのがおかしい。


その後も、綺麗な装飾の施された館の中を通り、進んでいくと、広間と中庭が繋がった、広々とした空間に出た



「エルーナ・センバート様 ノアール・センバートさまぁー!」


俺たちが会場へ入ると、会場の入口にいた綺麗なおっさんが、俺たちの名前を大きい声でいいやがった!


いや、それが当たり前なのかも知れないが、センバート家は当主が英雄なんだぞ? 騒ぎになるとか考えて、もう少しだけ声量を下げれなかったのかよ!


ほら、会場の子供たちが一斉にこっち向いちゃった。


「センバートですって! 英雄デイリス様のお子様がたね!」



「なんでしょうあの服装、初めて見るわ!」


「本当ですね、あんなドレス初めて見ます! でも可愛いですね!後で近くで見せてもらわなくっちゃ!」


「あら、ノアールくんがこっち向いた!」

「可愛いわね! エルーナ様とお揃いのお召し物で来てる! かわいいー!」


「ええ!ええ! あの切れ長な瞳は、将来絶対イケメンになりますよ! うふふふふ!」



まあ、周りの皆さんの様子は予想通りといったとこだろうね

ただでさえ英雄の子どもとゆうことで注目されるが、今回は和服なんて目立つもの着て来てるからな


それにしても、一部触れない方が良さそうな令嬢方もいるみたいだ、どこの世界にもいるんだなヲタクって


別に嫌いじゃないけど、あの奥の方にいる集まりの令嬢方は危険な匂いがするな!



案内されて会場に着いたはいいが、この後何すればいいの?

俺はこうゆう貴族の集まり的なのが初めてなのでよく分からん!


「ねえ姉さん、このあとはどうすればいいの?」


「うふふ、ノア、もう自由にしていいのよ!」


「え、そうなの? 偉い人からの挨拶とかは無いわけ?」


「いいえ、こうゆう集まりでは、お話の邪魔になるから終了の時しか挨拶しないものなのよ! だからね、社交会はもう始まってるのよ!」


「へぇ〜、そんなもんなんだね、なら俺たちも各自行動なんだね?」


「あら?ノアールちゃんはお姉ちゃんと一緒じゃなきゃ嫌でちゅかー?」


「ちょっと人前で何言ってるの! やめてよ恥ずかしい!」


全く、エルーナ姉さんはお茶目な部分もあって、家でも俺の事をいじってきたり、着せ替え人形にしてきたけど、今は場所が場所だからね


「うふふふっ! じゃあノア、ここからは別行動になるわ、こうゆう集まりは嫌いなのは知っているけど、出来れば楽しんできなさいね!」


そう言って姉さんはどこか行ってしまった。



はあ、俺にはつてなんてないからしゃべるあいていないんだよな〜!! 時間になるまで適当に、てきとーに過ごしておくか!



適当に会場を見渡すと、開放された庭の方にも、少ないが人が談笑している!


おお、庭に出てもいいのか


今日は天気はいいが、少し風があり、いい感じの気候


これは庭に行くしかないだろ!


庭で良さげな場所を探して昼寝でもしたらいいかもしれない!

多少日に焼けるけど、心地いい風が肌を流れていくのを想像しただけで、うん!最高だな!!



そう思い、庭へ繋がる扉の方へ向かおうと思ったその時


「ちょっとお待ちなさい、ノアール・センバート!」


と声がかかった。


振り返って、声をかけてきた人を確認するが、誰かわからない同い年くらいの女の子が、俺を若干睨んだような目付きで見ていた


え、誰だろう


でとこれはかなりめんどくさいやつだな

だって俺が全く知らない女の子に絡まれてるんだ、しかもこの子、めちゃめちゃ質のいいドレス来てるし、多分貴族の中でも上の方の人だろ?

どうしようか・・・


こうゆう場合は第一声が大事だ!

下手に刺激すると、あとがどうなるかわからんからな


「あの、なにか御用でしょうか」


絞り出してでた答えは、丁寧な感じで質問だけ聞き出す事だった!

相手はおそらく目上、しかも見ず知らずの人に平気で声をかけれて、それも睨みつけれる少女


怒らせるのだけは不味い気がする。


そんな感じで質問を聴いたのだが、内容がかなり突飛なものだった。


「あなた、先日の東町でウォーターショーなるものをやった、子供魔道士ですわよね?」


あーあ、まじかこいつ、なんで知ってんだ? まさかみてたのか?いや、でも確信は持ててないみたいだ


それにしても、そんなこと大声で言うもんだから、周りの人たちが完全にその噂ばっかしてやがる!


クソ! これもわざとっぽい、何だこの女!



「えーっと、その前に、お互い自己紹介でもしませんか?」


「え?あっ、グゥフン!わ、私はイェーナ・ハーチェル、魔道貴族、ハーチェル家の次女です。 じ、自己紹介もなしに失礼いたしました」


あら意外!

挨拶すっ飛ばしてしまったのが相当恥ずかしかったのか、顔をまるでりんごのように真っ赤っかにしながら、自己紹介をしてきた


「どうもありがとうございます、僕はノアール・センバート、センバード家次男でございます」



それにしてもハーチェル、魔導貴族って・・・



それってハーチェル家!! 大貴族も大貴族! 公爵家じゃないか!


嘘だろ? また面倒事か?

もう面倒ごとはいいんだよ! おなかいっぱいなんだよ! 助けてくれよ!



くっそー、なんでバレたんだよ俺






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