第56話 エルマインのお店
「おっちゃん!それ3つちょうだい!」
「おう!銅貨9枚な!」
俺とハリーは、エルフのエルマインが経営する雑貨屋にてチコとエルマインが喧嘩中のため逃げるように出てきて、今はサンドイッチを売る屋台に来ている!
まあサンドイッチと言っても、挟んであるのはレタス、トマト、肉だし、少し硬めのパンだからボリュームがあるタイプのやつだ!
ハリーは結構食うから2つ、俺は1つ買った!
てかこれ、美味しそうだったからつい買っちゃったけど、食べ切れるか?
まあ、残ったら残ったで空間コンテナに入れればいいか!
とゆうわけで、ちょっと休めるような場所を探していると、ちょうどいい広場チックな場所に出た!
「あ、ノア! ここ結構良さそうだな!」
「うん、これはいいや!」
屋台の横の道を抜けてきたが、めっちゃいい場所だな!
建物に囲まれて、表の喧騒から少し離れたようなきぶになれる!
そして心地よく吹く風に暖かな日差し! 「俺はもうここで昼寝したい!」
「おい、何アホなこと言ってんだよ! 早く食べるぞ!」
「ち、せっかく人が心地よく寝ようとしてるところを邪魔しやがって!」
「当たり前だろ!お前の右手に持ってるもんはなんだ? せめてそれ食ってからにしろよ!」
ぐぬぬ、真っ当な正論だが、いつもアホみたいなことばっか言ってるこいつに言われるとなんか腹が立つな!
あ、そうだ! こうゆう時はイタズラに限る!
俺は空間コンテナから唐辛子の粉末を取り出し、ハリーが夢中でがっついてるサンドイッチにパラパラとかけてやった!
ふふふ! たまには男2人でこうゆうのもいいだろう!
そんなこともをされているとは露知らず、ハリーは大きなひとくちでサンドイッチにかぶりついた瞬間! 「ゔぅーー!!! ゔ、ゔゔゔ!」と、言葉にならない絶叫で飛び上がった!
「はっはっは! はぁ!ちょっと期待通りすぎだろ! なんだよその反応!なんのひねりもないやつじゃんか! はっはっは!」
ーーーーー
「はぁ、はぁ、はぁ、おいノア! お前のせいで口が取れそうなほど痛い! お詫びにジュース買ってこいよ!」
「ふははははっ!」
「あ、おいノア手目!何思い出し笑いしてやがる!くそ! 」
そんなこと言ったってしかたないだろ! お前のあの驚いた猫みたいなジャンプはマジで面白かったんだから!
ーーー
とゆうわけで、ハリーにとっては災難だろうが俺にとってはめちゃめちゃ面白かった間食を終えたから、またエルマインの店に来た。
「あれ、喧嘩の声聞こえないね」
「ああ、まあ大方腕相撲でもして決着つけてやがるんだろ?」
は?何その発想!ハリーお前凄いな 腕相撲って・・・
あいつら一応女子だぞ?
まあ確かにチコならそうゆうことやるかもしれんけど
てまぁいいや、とっとと入ろう。
ーーーー
「えーっと、君たち、何してるの?」
「あ、ズリー!パンケーキ食ってやがる!」
俺とハリーが店内に入ると、2人は店のカウンターで、仲良くパンケーキを食べながら、ティータイムを楽しんでいた!
「何してるの?じゃないわよ! よくも私を置いていったわね!」
「当たり前だろ! あんなうるせー場所なんてゆっくり店内を回ることもままならねーだろ!」
「何より、俺たちは黙らないと先に行くぞと言ってたけど、聞く耳持たなかったのはチコの方だぞ?」(大嘘である)
「まあ別にいいわよ! おかげでこうしてエルマインと二人でゆっくりとお茶できたわけだし!ね!エルマイン!」
「え、うんそうそう! 」
おいおい、自分の意地を張るためにエルマインを巻き込むなよ!
てかお前らいつの間にそんなに仲良さげになってんだよ! 俺たちが出ていってから30分も経ってないぞ?
これが女の友情ってやつなのか
ーーーー
「へ〜、じゃあこの街にはまだ何人もエルフがいるんだね!」
「ええそうなるわね 、この店に来るのも全員がエルフだしね。」
なるほどな、どおりでこの店の雰囲気が全体的に少し変なわけだ! エルフ用にチューニングされた店舗だったのか!納得納得!
「なー、ならさ!この店の商品もその故郷のエルフが持ってくるのか?」
「そう言うことよ、だから見慣れないものも多かったでしょ?」
「おう!」
なるほどな! 通りで見慣れない作物の種とか、布とかがあるわけか!
チコは既にお茶をしている時にあらかた質問したらしく、その後は俺とハリーの質問攻めが続いた!
結果的にわかったことは、まずエルフは、故郷となる場所で生まれてから、そこで50年ほど生きた後に、自由外出の許可がおりるため、こうして別の場所で暮らす者も結構多いのだとか!
ただ
さっきも言ったように、特別魔法に優れていたり、弓が得意だったりとゆうのは完全なデタラメ情報らしい!
エルマイン自身も50で故郷を出て旅をする中、117年前にここに住み着くようになって、その時からこのお店をやっている! なんだろうな、そこはまあ、長寿種特有といった感じだな!
エルフの寿命は500年以上とか言うし、どんだけだよ!
「あ、そう言えば3人は再来年からそこの魔導学院に通うんでしょ?」
「うん、俺はいいとしてこっちの2人は受かればだけどね!」
「うふふふ! なら魔導学院で使うものを買う時はこの店に来てね? 人との交流なんて本当に無いから楽しそうだし!」
「私は言われなくてもそのつもりだったわよ?」
「あらありがとうチコ!」
「あ、俺も俺も!」
「まあ断意味もないしね」
こうしてエルフとの初の接触は概ね、いやだいぶ良好だったと言えるだろう!
それにしても、珍しいはずの亜人にこうも短期間であってると、なんか本当に珍しい事感が無くなっていくな、虚しいものだ。
と、そうこうおしゃべりしているうちにもうお昼を回った時間になっていたので、俺たちは何か食べに行くことになった。
「じゃあエルマイン、また来るね!」
「ノアに同じくー!」
「じゃあね〜!」
そう言って帰ろうとするが、「ちあ、ちょっと待って!」と、言ったかと思うと、エルマインはカウンターの奥へ消えていった!
エルフか…こっちでも日本でも、エルフが登場する物語には、排他的でプライドが高そうな描写で書かれていることが多かったので、実際に話してみると驚きだったな!
そして今日ははぐらかされたけど、いつかエルマインには、あのばあさんに変身していた謎の魔法も教えてもらわないとな!
もしなんにでも変身できるなら、それはもうイタズラし放題になる!
ごちゃごちゃとものが置かれたアメリカン雑貨店みたいな店内で待つこと数分。
やっとエルマインが奥から出てきたのだが、手には、何やら謎のものが持たれていた
「何?その箱!」
「ふふふ!いいこと思いついたのよ! この3つの箱の中にはそれぞれこの店では売れないガラクタを入れてあります! なので3人にはそれぞれ好きな箱を選んで、中身はプレゼント!」
と、つまりは俺たちをゴミ処理屋として扱ってやろうとゆう魂胆が目に見えるため、なんか逆に清々しい!
そしてなんだろう、カウンターに並べられた3つの大中小の箱に、綺麗なエルフがたっているとゆう、この圧倒的な舌切り雀感! もしかして大きな箱には虫が詰まってるんじゃないだろうな!
まあいい、おは無難に真ん中だな!
こうゆう時はやはり無難が安全と相場は決まってる!
そして欲張りなハリーとチコは大きい方を選び、じゃんけんで負けたハリーは小さい方の箱になった。
「よし、じゃあ行くよ? せーの!」
お、悲鳴が聞こえないってことは、虫エンドはなかったか?
ちなみに俺のに入ってるのは謎の卵だ!
ご丁寧にものの下に説明書きまで書いてある
『謎の卵』
ダンジョンで見つけられた卵で、非常に硬く、何をしても割れないためこの名前がついた!
だってさ!
それにしても、黒と青の配色って…… なんかあんまりセンスなくね? 少し気持ち悪いんだけど!
そして2人の方はと言うと、ハリーは『抜けない短剣』
チコは、『変な魔法の杖』
とゆうアイテムを貰っていた!
まあ卵の方はどうするか分からないけど、2人の方はまだなんとかなりそうなものだな!
無難作戦は失敗に終わったらしい!
「じゃあ今度こそまたねー!」
「「じゃあね〜!」」
「はーい!また来てちょうだいねー!」
ガラクタたちのお礼を言って、俺たちはまた外に出た!
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