第55話 今度はエルフかよ



「うわ、何これ」


俺たちは今、王都で見つけた小さい雑貨屋『雑貨屋チャコル』で適当に見て回っている!

と言っても、婆さんには悪いけど本当に狭い店だから見るものもそんなに沢山はないんだけどね


でも、中には見た事もない変わった織り方の布や、謎の液体、この世界の虫の標本なんかは少し興味がわいたけど、一番面白そうだと思うのはこれ


金属の箱にスイッチが付いただけのガラクタみたいなものではあるが、ばあさんに聞いたら一応魔道具らしく、どっかのダンジョンから出てきた物らしいのだが、ハズレの部類らしい!


てか、俺もダンジョンなんて初めて聞いたから驚いたんだけど、今のところ、世界では7つのダンジョンが確認されているらしくて、この大陸では砂漠の大国ハストーレに1つ確認されているらしい!


ダンジョンでは時折、こういった魔道具が見つかることがあり、性能もまちまちで凄いものだと国王に献上されたりするらしい!


今学院で研究開発した魔道具も、こう言ったものを参考に作られたものらしい!



「それでその魔道具の効果は何なの?」

「えーっと、たしか発動された魔法を2秒だけ取り消せる魔法だったかな?」


は?ハズレなんだろ?何その破格性能、何そのスゴすぎる道具!!


発動中の魔法の強制解除なんて、詠唱する魔法使いとの戦いとかにはかなり有効なんじゃないの?


相手の詠唱が終わる直前でこれを使えば、また一から詠唱のやり直しってことだろ? 強くね?


この魔道具は買いだな!

「これはいくらなの?」

「そうだねー、昔のやつだし効果が効果だからね、銀貨4枚でいいよ!」

なるほど、安いな!


俺はこの魔道具を即購入した! だって使わない人が持ってても豚に真じ…いやいや、よぼよほのばあさんに豚扱いは倫理的にダメだな、猫に小判にしておこう。


そしてずっと気になっていたのだが、このばあさん、実におかしい!

見えないのに店に入った瞬間に挨拶をしたり、気配を消したり、ばあさんなのに口調は若い人っぽい、何よりこのばあさん、体にものすごく薄くだけど魔力を纏ってる!


店の前の看板からも同じような魔力を感じたから、きっとこの婆さんがやってるだろうが、おれはその正体を暴くため、今買ったばかりの魔道具のスイッチを押してみた!


「は?」

「え!」

「嘘でしょ?」


魔道具を使った瞬間、ばあさんが一瞬、眩しい光に包まれて、俺たち3人は目を瞑った!


そしてすぐに目を開けると、ばあさんはいなくなり、代わりにばあさんのいた場所には、若く、白がかった淡いブロンド、透き通るような白い肌、そして何より長くとんがった耳。


「え、嘘でしょ? どうして! あっ!坊やその魔道具を使ったわね! 」



そう、この人エルフでした。



ーーーーー


「なるほどね、じゃあ最初からこの店に来たのも、変わった魔力を感じたからなのね?」


「んー、 別に魔力を感じたわけじゃないよ! 少し気になっただねだからね」


「それは多分微妙な変化に気づいたのよ・・・ はぁ、まさか子供に正体がバレちゃうなんて思いもよらなかったわよ!」


俺たちは今、正座をしながら、この店の店長エルフ、エルマインに事情説明をさせられている。


「ちょっとのノア! あんたのせいで私たちまで巻き添えじゃない! どうしてくれるのよ!」


「本当だぜ、このエルフ話なげーんだけど!」


「仕方ないだろ! まさかエルフがこんなの大都会のど真ん中にいると思うか? あの絵本に出てくる森の民だぞ?」


鬼の里を見つけた時にも言ったかもしれないが、この世界には人間族以外にも、人と似たような出で立ちをした亜人と呼ばれるもの達がいて、お馴染みのエルフやドワーフ、今俺たちが交流をとっている鬼神族もこの亜人だ!


だが、彼らは人の数が増えるにつれて、どんどんと姿を消してゆき、今では人の目につくところで生活するのは獣人のみとなり、他の種族は絶滅したとまで言う学者の本もあったりする。



「それで君たち、この事を外で誰かに伝える気は?」


「ないに決まってるでしょ! 頭がおかしいやつとしか思われないよ!」

「俺もノアと同じ!」

「私も〜!」


「そう、良かったは! ならもう正座をやめていいわよ!」


って、なーんで俺たちが正座させられてたんだ?

俺たちはただ雑貨屋に入ってもの買って試しただけだとゆうのに、理不尽な店だ。


「それにしても、エルマインは本当にエルフなんだよな?」

「そうだけど?」


「じゃあ本当に葉っぱしか食べないのか?」


「は? そんなわけないでしょ!肉も食べるわよ!」


「え?嘘でしょ? 木の上で生活するとかは?」


「そんなことできるわけが無いでしょ! 」


「じゃあ弓が得意ってのは?」


「そんなの得意な人もいれば苦手な人もいるわよ! ちょっと!人間は私たちにどんなイメージ持ってんのよ!私たちなんて長生きなだけで、畑もするし村もある!人と変わんないわよ!」


うわぁーマジかー、これはちょっと聞きたくなかったなー

エルフの暮らしとか、実は結構興味があったのに、なんとまあ夢のないことをベラベラと言ってくれる。(自分たちから聞いたんだけどね)

ほら、あんなこと言うからハリーとチコなんかショックすぎて床に膝ついてるぞ!


「ちょ、ちょっと何よその目は…なんでそんな目をするのよ、し、仕方ないじゃない!私に言われたってどうにも出来ないわよ! 」


「なら教えるなよアホエルフ!」


「あ、コラ!誰がアホエルフよ!」


「そんなのあんたしか居ないでしょ!アホマイン!」


「な、なんですって! この小娘!」



はぁ、ちょっと辞めてくれよ、俺の中のエルフ像がどんどん崩れていくんだけど!

え?エルフってこんな5歳児相手にガチ切れするような種族なの? それとも個体差で、エルマインがそうゆう人なだけか?


どちらにしてもいい加減うるさいな!


「2人ともいい加減やめなよ、うるさいんだけど!」


「ノアは黙ってて!」「あなたは黙ってて!」



あーーーもうめんどくさーーーーーい!!



「ちょっとノア、こいつらいい加減うるさいんだけどどうすればいいんだよ!」


「知らないよ! もうほっとけばいいさ! 」



こいつらがあまりにもうるさいので、俺とハリーは1度店を出た!



「はぁ、あいつらはアホなのか?」


「だからあんなことで言い合ってるんでしょ。 」








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