第53話 お土産
・・・・・夕食後の休憩時間・・・・・
「エルーナちゃん、今日のお茶会はどうだったの?」
現在はリビングでお茶を飲みながらみんなでお喋りをしている!
と言っても、俺は屋台で疲れ果て、もはや全身の力が抜け抜けなので、ソファーの上で横になりながら耳を傾けている!
ばあちゃんは、エルーナ姉さんの今日の戦果をスラッと聞いたが、実は夕食の最中から、何度も姉さんをチラチラ見てたので、多分ずっと気になってたんだとおもう!
でもまぁ、可愛い孫の将来に大きく関わる事だから、気になってしまうのはわかるけどね。 (孫いたことないけど!)
「えへへ、おばあ様いきなりですね! 相も変わらず特に何も無かったです。 強いて言うなら、ハーチェル公爵家の次女、シーリア様とお話が弾んだくらいですね。」
「なんじゃと? あのハーチェル家の娘と話が弾んだのかの?」
その姉さんの発言に反応したのは、じいちゃんだった!
ハーチェル家は、ルーべッシュ家と同じく、建国当初からある旧家であり、魔法が得意で、多くの宮廷魔導師や軍の魔導師を排出してきたため、『魔法貴族』と呼ばれている!
じいちゃんも、先代のハーチェル公爵とは仲が良かったらしく、姉さんの口からハーチェルの名前が出て嬉しかったんだろうな
ちなみにハーチェル家は魔法の本も多く出版していて、うちにも何冊もハーチェル家の本がある!
「ええ、性格がシアにそっくりだったから、ついついたくさんお話しちゃったの! 」
だとさ、あのシア姉さんと同じとは・・・
あのお淑やかを作ろって入るが、すぐに喧嘩腰になって手を出してくるあの姉さんと似た人…近づかない方が良いな!
俺はウトウトと半分睡眠状態の中、シーリア嬢とはあまり近づかないでおこうと、そう決めたのだった。
その話を最後に、皆ごちゃごちゃと喋ってたのは覚えているが、眠気もピーク、心地良いソファーのふわふわに体を包まれて、気持ちのいい睡眠をすることが出来た!
ーーーーーー
・・・・・翌朝・・・・・
「おはよう!」
「おはようノア、昨日はぐっすりだったね!」
「うん、相当疲れが溜まってたみたいでね、 眠気が抑えられなかったよ!」
「「ふふふふっ!お疲れ様!」」
俺が目を覚ますと、父さんと母さんはこんな早朝から、今日の第3王女の3歳の生誕祭に向けて、準備をしていた!
こんな早朝から準備とは、2人も大変なんだな! お疲れ様!
俺は正装の洋服を整えている2人を心の中で労いながらも、まるで根が生えたかのようにベットから離れない体の力を抜いて、超絶リラックスをしている!
うちの屋敷のベットは少し固め、睡眠時の体には適してるけど、こうゆうモコモコふわふわのマットレスを作ってみるのも良いかもな!
俺がより良い睡眠について頭を巡らせていると、ふと何か思い出したかのように、父さんに話しかけられた
「そういえば、おじいちゃんが、ノアが旅の途中に作ったおもちゃを見てみたいって言ってたよ? 」
「ん?もしかしてオセロと立体四目並べのこと?」
実は旅の途中に暇だ暇だとハリーとチコにせがまれ、土の魔法で、オセロ、まリバーシだね、それと立体四目並べを作ってやったんだ!
なぜ立体にしたかと言うと、馬車って実は結構揺れるるんだ!
それはもう、敷くものがなければ尻がいされるくらいにね! まあサスペンションなんてついてないし、道路もほとんど整備されてなくて、ボッコボコだからな!
馬車に乗りながらオセロはかなり厳しかったので、立体的に遊べる簡単なおもちゃとして、四目並べを作ってやったのだ
ーーーー
父さんにそう言われたので、朝食前、俺はその2つのおもちゃと、渡し忘れていたお土産を持って、リビングへ向かった!
「おはよぉ〜!!」
「おぉノア、おはよう!」
「おはよう! 今日は早いわね! 」
挨拶を返してくれた2人は、リビングから抜けれる庭のデッキの席でお茶を飲んでいた!
それも、2人がけのロッキングチェアに座り、じいちゃんがばあちゃんの肩に手を回した状態でだ!
あの年でそんなラブラブなのは、孫として少し嬉しく思ったよ。
「おじいちゃん、おばあちゃんちゃん! 昨日話してしてたって聞いたおもちゃと、渡し忘れてたお土産持ってきたよ!」
「おぉ、本当か! 見せてくれ見せてくれ!」
「あら、これがお土産ね? ん?これは何かしら?」
って! お互い別々の事を聞かれても答えられん! 俺は聖徳太子じゃないんだからな!
てか、聖徳太子も同時に2人に説明はできないのか?
ま、それはおいておき
まずは説明が簡単なじいちゃんの方からかたずける!
「そっちの板にマスがあるのリバーシ、そっちの棒とたまのやつは4目並べって言うおもちゃなんだ!」
「ほぉ! して、ルールはどうなんじゃ?」
「めちゃめちゃ簡単だよ! リバーシは交互にその丸い板を乗っけて言って、自分のコマで相手のコマを、縦横斜めどれかで挟んだら裏返していく!それだけだよ! 4目並べも、交互に棒に玉を刺してって、先に縦横斜めのどれかで1列に並べた方が勝ち! 簡単でしょ?」
この2つは幼稚園児からやれる玩具でありながら、極めれば果てしない時間がかかるからな!
普段は使わないだけで、実は知能指数は高めなハリーとチコも、移動中はずっと五目並べ対決をしてたくらいだったし、これはじいちゃんたちもあの末路を辿ることになるのか?
食事も忘れてゲームに没頭するあの末路を・・・
でもじいさんには、画としては将棋が似合うな! 今度屋敷で作ってこっちに送ろう!
ーー
ルールを説明すると、50越えたじじいが、まるで子供のようにやりたくてうずうずしている! いや、ちょっと待ってよ!今度はばあちゃんにお土産で持ってきた着物を説明しないといけないんだから!
俺が小声で
「先にばあちゃんに土産の説明しないと、また何されるか分からないよ?」
と軽く脅してみたが、効果はてきめんだ!!
「じゃあ待ってようかの」
とか言って、ソファーの方へ行ってしまった!
ーーーー
「で。ここをこうしてっと…」
今度は、ばあちゃんに着物の着方の説明をしている
と言っても、浴衣と着物の違いなんて、中に長襦袢ながじゅばんとゆう、まあインナーみたいな物を切るかどうかの違いだけで、ほとんど変わらないから簡単だ!
ただ、これからの季節に薄手の生地で作った浴衣は寒いので、ベイリー被服店で、少し厚手の生地で着物も作ってもらっただけだしね。
しかも、鬼の里で売ってた服の布とゆうのが、縮緬と言う、表面に細かい凹凸のある生地で、それが安く手に入ったから、ベイリーにはそれを使ってもらった!
それに、お土産用なので、染色と柄付もね!
ーーーー
着せ終わって、最終確認をしているのだが、ばあちゃんが、これまた着物が似合う似合う!
顔の作りなんかは完全に西洋人なのに、なんの違和感もなく、赤みの強い髪の毛と薄緑の着物、そしてアクセントに入った模様が、めちゃめちゃ映えて見える!
「おばあちゃん! めちゃめちゃ似合ってるよ!」
「うふふっ!あらそう?ならおじいちゃんに見せてこなくちゃ! ありがとねノアちゃん!」
ーーーーー
「ねえアナタ! ノアちゃんに着せてもらったんだけどどうかしら!」
着物を着せ終わると、おばあちゃんはすぐにじいちゃんの方へ確認に行った!
はぁーあ、2人ともはしゃいじゃって!
この2人はどうやら似た者同士らしい!
その後、朝食までの40分くらいかな?
じいちゃんにも着物を着せて、2人とリバーシ対決をした!
結果は俺の全勝だ!
まあ、コツとか知ってるからそうなるんだけどさ!
と、こんな感じで楽しく、そしてゆったりのびのび過ごす!
こーゆうよがしたかったんだよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます