第52話 女性を褒める時は気をつけろ!



「これを両替して下さい!」


俺の予想外のお願いに、皆がキョトンとして数秒、アレクの良い親は


「ハッハッハッハ! ノアよ! お前は面白いな! よかろう!そんなことで良ければすぐにさせる!」


と、上機嫌で豪快に言うと、後ろに控える執事たちに命令して、袋の中のお金を換金し、金貨16枚と銀貨5枚、そして銅貨が76枚になった!


ーーーー


よしよし、これで持ち帰れる!


いやぁーそれにしても本当にこのタイミングでアレクの父親が来てラッキーだったな!


もし来てなかったら、俺がサイコキネシスで3人の家まで運ぶとゆう、クソめんどくさい事になってた! ありがとうお父さん!


俺がそんなことを思っていると、アレクの父親が話しかけてきた。



「それにしてもノアよ、本当にそんなにことで良かったのか?」


「とゆうと?」


「いやほら、普通お前くらいの年齢なら、おもちゃをせびってきたり高価なものを買ってもらったりするんじゃないのか?」


そう言われてもね、両替は今1番の問題だったからな。



「そうなんですかね、まあ俺は今のところあんまし物欲がないので、1番解決したい問題をお願いしただけですよ!」


「ハッハッハ! なるほどな!まあ納得してるのなら構わないさ! 」


そう言って俺の肩に数秒手を当てると、振り返り、そのまま馬車に乗った!



「じゃ、俺もこのまま帰るよ!」


「おうアレク! また機会があったら、今度はちゃんと遊ぼうな!」


「私たちはあと4日くらいはハイルデンにいるから、見かけたら声かけてね!」



「おう!ハリーとチコも元気でな! ノアとは多分また会えると思うけど、その時はまた遊ぼうな!!」


「へいへい!」



アレクとはほぼ初対面で1日屋台を一緒にやっただけだが、俺もハリーもチコも、この1日だけで随分とアレクに心を許していたみたいだ!


涙こそ出ないが、少しは寂しく思う!



俺たちが別れの挨拶をすると、御者の掛け声とムチの音が響き、馬車はゆっくりと動き出しすぐに見えなくなっていった。



ーーーーー



そんなこんなで、色々あった屋台営業も無事終了することができた!



「いやぁ〜、皆本当にお疲れ様! アレクに至っては突然だったけど、無事終わることが出来て良かったよ! マジでありがとな!」


「おう! 俺らもなんだかんだ楽しかったし、それに金も手に入ったしな!」


「そうそう!金貨4枚も稼げたんだから満足よ!」


「いや、本当だよ!」



まさか売上が100万以上いくとは思って無かった!



でも、これで現代の料理は高額でもうれることがわかったのだ! もっとレシピを開発して、現代料理のレストランチェーンを作ったりするのもいいかもしれない!


俺はまた1歩、将来への構想を膨らますのであった。



ーーーーー



元社畜の俺は、本当ならここで打ち上げなんかをしたいところだが、さすがに今は体が疲れ果てているので、3人で話し合った結果、今日は解散して明日また会おうとゆう事で話がまとまった!



「じゃあまた明日な!」


「今日みたいに遅刻するんじゃないわよ!」


「うるせー!何が遅刻だよ! お前ら2人が早すぎるんだよ!」


「はは! 人生限りがある! 少しでも早く行動して、損しないようにしようぜ!」


なんだそれ! 誰の名言だよ!


朝8時から宿の前で待ってる方が明らかに損だろ!


と、そんないつものじゃれ合いもありつつ、俺たち3人は、帰路についた!




ーーーーー




「あらノア、こんな遅くまで何してたの?」


ルーべッシュ邸に帰ると、ちょうどエルーナ姉さんがお茶会から帰ってきたところだった!


「え、姉さん?」


「はい? どうかしたの?」


「あ、いやー、え?」



世の男性のみんなへ、声を大にして言いたい!


化粧ってスゲーな!


ヘアメイクってスゲーな!



見慣れたはずのエルーナ姉さんが、欧米の超絶綺麗なモデルみたいで、めちゃめちゃ美人だ!



姉さんは以前


「センバートの名前を目当ての男ばかりだから好きになれない」


とか言っていたが、多分そんなことよりも、この美貌に落ちてるのだと俺は思う!


姉弟なのにこんなに綺麗に見えるってことはだ、赤の他人が見れば、それはもうやばいんだろうな!



ーーーー


「ちょっとノア? 体調でも悪いの? 大丈夫?」


「あ、うん、姉さんがいつもと違ってあまりにも美人だったから、ちょっと驚いただけ! ささ、早く中に入ろうよ!」



ノアールはエルーナを褒め、そのままドアを開けて入ろうとした途端、後ろからものすごい力で腕を掴まれた!



「ちょっとノア? 今のはどうゆうことかしら?」


え? どうしてだ?



姉さんはめちゃめちゃトーンの低い声で、涼やかな笑顔をしながらそう言ってくるのだが、ただでさえ怖い状況の中、夕日の影で笑顔の半分は真っ黒になり、さらに怖さが増している!


俺、なんか間違えたか?



と、かける言葉が思いつかづに答えないでいると、さらに低い声で


「私、いつもは美人じゃないかしら?」


といってきた!



え、嘘だろ?


俺の妹はすっぴんを褒めると怒ってきたぞ ? これはどうゆうことなんだ?


もう俺はパニック状態になった頭をフル活用して、何とか言い訳を絞り出す!



「ごめん姉さん、言い間違いだよ、「いつもと違って」じゃなくて「いつもに増して」って言いたかったんだ!」



「本当に?」


「うん!本当だよ!」(大嘘!)



「ほ ・ ん ・ と ・ う ・ に ・ ?」


「うん!本当だってば! 父さんと母さんの子なんだよ? 可愛くないわけないよ!」


「あらノア、お母さんとお父さんの名前を出すのはずるいじゃない! まあいいわ!今回は水に流してあげる!」



うぉーー!!ナイス俺の頭! よく回転してくれたよ!


エルーナ姉さんは姉弟の中で1番の怪力だからな!


もしシア姉さんさんのようなげんこつが落ちようものなら、頭が割れないか心配だ!


だから、今回は本当に俺な脳みそくんにはお礼をしたい!


後で甘いものを食べよう!


そんなことを思っていると、優しい声で言う!


「ノア、今回はいいけど、言い間違いには気をつけなさいよ? 特に女性にはね! さ、入りましょ!」



良かった、いつものエルーナ姉優しいさんがだ!



屋台をしてたくさんのお金を稼いだ喜ぶべき日にもかかわらず


この日は、本当に女性は難しい! とゆう印象しか残らなくなってしまった、なんとも微妙な日になった!






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