第51話 大量の銅貨の両替



「ねえノア! コーラシロップがもう無くなる!」


「は?嘘でしょ?」


マジか、スパイスをめちゃめちゃ使って、頑張って大量に作ってきたのに完売だと?


嬉しいけど・・・マジかよ!



「お好み焼きの方はまだまだあるよね?」


「おう! たんまりとな!」


だそうだ!


まぁ、お好み焼きのタネは空間コンテナの中にもまだまだあるんだけどね!



さて、どうしたのもか…


俺たちは朝の9時半くらいからスタートして、今はだいたい5時手前


一応は休み休みやってはいたが、もうヘトヘト。


ここはコーラを売りきったら終わりにするのか、それともお好み焼きだけでまだ続けるのか


判断が迫られるところだな!



「ん〜、どうしようかな」


そう呟きながら考えてみたが、答えは出ない!


そこでふと3人の顔を見て思う、ここまで共に頑張ってきた仲間だ! 最後はみんなで決めよう!



そこで俺たち4人は客に聞こえないよう少し奥に行き、ひそひそ話をする!



「3人とも聞いてくれ、 コーラのシロップがもう切れるのは今言った通りだ! そこで、俺達には選択肢が2つある! 1つはコーラを売りきって閉店する!

もう1つは、コーラを売りきってもお好み焼きだけ売る! どっちがいい?」


と、聞いてみたが、3人とも一欠片も悩む素振りを見せず、即答で選んだ!


「よし、ならコーラ売りきったら閉めるから、最後のスパート頑張るぞ!」


「オォ!」


俺たち4人は今までで一番団結力があり、そして1番大きな声で、最後のスパートへ挑むための掛け声をかけた!



まあそうなるとは思ってたよ!


てか正直俺もそうしたいしたかったしね!



いくら剣の稽古をしてるからと言って、5歳児が8時間も働くのなんて馬鹿げてる! もうヘトヘトなのだ!


「はあ、あと少しだ、頑張るぞ!」


俺はそう自分に言い聞かせてレジへ戻る!





ーーーーー



・・・・・・そして数分後・・・・・・


「すいませーん! お好み焼きもコーラも、もう終わりました! ありがとうございました!」


コーラのシロップが空になったので!俺たちは店を占めるため、並んでいる8人ほどに丁寧に挨拶をして、閉店の準備を開始した!


と言っても、焼きカスを集める程度で、あとはほとんど俺の魔法なんだけどね!



ただ、まだある作業をしないといけないので、屋台は崩さない!


そう、稼いだ額の集計だ!



ーーーー


「よし、じゃあ最後にみんなで集計してこう!」


その俺の言葉に、チコとハリーは露骨に嫌な顔をしたが、これも仕方がない事だ!


だってレジの下に置いた皮の袋はもうパンパンで、今にも弾けそうだからな!


さすがにひとりでこの量は無理!


なので、皆で手分けしてやる事になった!



まあこれは、1枚1枚数えなくても平らな台を魔法で作って、銅貨の高さを合わせていけばコーラとお好み焼き分の合計は出るのだ!


「最後だから頼むよ!」


「はいはい、やりますよ!」


「俺も!」


「俺もな!」



こうして、日もだいぶ落ち、辺りは夕焼けで薄暗い中、俺たちはライトの魔法を焚いて、ひたすら銅貨を並べていく!




ーーーーー



「おーー!スゲーな!」


「長い時間かけて働いたかいがあったわよ!」


「ホントだよね!俺も初めて働いたから、疲れたけど楽しかったし!」


確かにな!


俺も小金を稼ぐつもりでしか無かったが、これはもう小金ではないな!



みんなで集計したところ、銅貨が、16576枚、単純計算で日本円にして、165万7600円だ! 大金だよね!


山分けにしても1人 日給41万4400円 !!



完全に5歳児が稼ぐ額を逸脱した金額になったよ!



ーーーー


「でもノア? こんな銅貨4千枚ももらっても、重くてもちはこべないんだけど、どうするのよ!」


そう! チコが言うとおり、問題は全部銅貨という事だ!


庶民には慣れ親しんだ硬貨だが、4千枚で重さ12kg程ある。



ははっ…さすがに10kgのお米を持つようなもので、子供が持ち運べる重さではないな!


と、そんな事を話し合っていると、1台の馬車がこちらに近寄ってきた!


「あ、うちの馬車だ! なんでだろう?」


どうやらそれは、アレクロットの家の馬車らしい!



「おぉ!アレクって本当に貴族様なのね!」


「俺ら普通にタメ口だし、からかったりしてたけど殺されたりしねーよな?」


「はははっ!ハリーは一度 殺されかけた方が良いよ! そしたらすぐに調子に乗る癖も無くなるでしょ!」


「な、テメーノア! この野郎!」


「ちょっと、別にそんな事しないよ! 楽しかったし、同年代の人と普通に遊ぶのは初めてだったから、楽しかったしね!」


と、アレクが爽やかな笑顔で、俺たちにそう言ってきたんだが・・・ちょっとな。


なんとも可哀想な話だ! 初めての遊びが、8時間の労働なんてな・・・ 不憫すぎる!


ハリーも同じことを思ったらしい


「アレク、もしかしてお前、庶民の友達いねーのか?」



ハリーがそう聞くと、アレクは顔を真っ赤にしながら強がり


「貴族は忙しんだよ! 友達なんて作る暇も無かったんだ!」


と言った!


でもアレク、残念だけどその言い訳は完全にミスだよ。


だって俺も貴族だけど、ハリーもチコも親友だからな!



そんなことを話しているうちに、アレクの家の馬車が俺たちの前で止まり、中からデイリス父さんの5~7つ上のイケメンおじさんが降りてきた!



するとアレクが跪き


「父上!どうかなさいましたか? 」


と言った!



急な事すぎて俺達も驚くが、それをされたアレクの父親本人もだいぶ驚いたようで、ビクンッ!と驚いたあと、すぐにやめさせた!


面白いことに、右眉だけが上がる独特の驚き方は、アレクと全く一緒だたので、親子なんだなぁ〜!と 、ほっこりしてしまっまた!


ーー



「アレクはともかくだ、赤髪に透き通った紫の瞳、君がルミーリアの言っていたノア君か?」


おっさんは俺の事を凝視しながらそう言ってきた。


そして正直ものなのか父には逆らえないのか


「そうです父上! ノアはこいつです! 」


と、アレクが教えてしまった!



はぁ、こうゆう時は人違いを装うべきだろ! どう考えても面倒事じゃないかよ!


とは思うものの、ばらされてしまっては仕方ないから自己紹介をする。


「どうも、俺がノアです。」


そう言うと、今度はおっさんが笑いだした!


「そうかそうか! いやぁ〜昨日娘がずっと話してきてな! 挙句 「ノアと結婚する!」 なんて言い出すもんだから、ううちの者達は仰天境地だったぞ! 」


だとさ、俺も今困惑してるよ!


何故かって? この世界初15が成人なんだよ?


日本で言ったら中三か高一だ!


ちょうど思春期で、異性との交友も盛んな年齢で、この時くらいから、色んな経験を積み始めるだろ?


でも15で成人だと、貴族や有名な商会の子供なんかは、それまでに婚約していることが多い!


つまり、恋や恋愛の経験もなく、初恋の人とそのままゴールイン!なんて事も珍しくもない事なのだ!


うちの親も、婚約こそしてなかったがそんな感じだし


なのでルミーリアがそう言うと、子供の一時の感情だとしても、本当にそうなる可能性がすくなからずあるのだ!


ただ、そんな俺の心配もただの杞憂でおわる!


「ま、嫁にはやらんないがな!」


さっきまで笑顔だったおっさんが、急に真顔でそう言ったのだ!


どうやらこのおっさんは、親バカの類いらしい!


「ええ、身分が違いすぎて、とてもじゃないですけど俺には無理ですよ!」


「だが、助けてくれたのは事実だ! なんでアレクがここにいるのかはサリーに聞いたが、父親として、私からも何か礼がしたい! ノアよ、何かして欲しいことはあるか?」


と、そう聞いてきた!


これってめちゃめちゃラッキーだよな!


俺は迷うことなく即答する!


「では、お願いがあります! 」


そう言って、4つの袋を前に突き出す!


「ん?なんだこれは」


おっさんが不思議そうに呟くが、無視して言う


「ここに、銅貨が16576枚あります! これを両替して下さい!」




すると、俺のお願いが予想外すぎたのか、ハリーやチコ、アレクにその親父ももちろん、馬車の傍で待機しているアレクの家の使用人たちまでもが、目を見開き、口を開けてポカーンと間抜け面をしている!



その光景はあまりに面白すぎて、どうにか写真に収めれないかと、本気でカメラの開発を考えたくらいだ。







<<<<< お知らせ >>>>>


Twitterを始めました!


たまに絵を載せたり呟いたりします!基本はOFUSEとゆうサービスのURL載っけるために作ったアカウントですので、良ければお願いします!


Twitterアカウント⤵︎ ︎


https://twitter.com/omochi7878



OFUSEアカウント⤵︎ ︎


https://ofuse.me/omochi69


良ければよろしくお願いします!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る