第50話 ノアとアレク2人の正体



「ハリー! 3つ注文!」


「アレクも2つお願い!」


「チコは、えーっと、4杯ね!」


「「「了解!」」」


「はい!お好み焼き2にコーラ2ね! 毎度ありー!

はい、次の方注文どうぞ!」



俺たちは今、王都ハイルデンでお好み焼き屋台をしているのだが、 やはりさすがお好み焼きとゆうべきか、めちゃめちゃ売れる!


そして客が止まらん!


開店直後はまばらに匂いに釣られた人達が買いに来る程度だったのに、どこからだろう


1時間ほど経った所で、いきなり人が増えだしたのだ!


そして今となっては、もう行列を形成してしまっている!




「クッソ! マジで忙しいな!」


「本当だよハリー! 俺はもっと楽しく出来ると思って来たのに、ノアのやつ鬼だな!」


「あぁ、長い付き合いだからよく分かるが、あいつはやる気スイッチがあるんだ! それが入らないと何もせず、永遠ダラダラし続けるんだよ!」


「なるほどね、じゃあ今はそれが入ってるって事だね?」


「そゆこと! そしてそれが入ったら最後! 周りを巻き込んでどんどん進んでいくモンスターと化すんだ!」


「ははっ、ハリーもチコも、大変な思いをしてきたみたいだな。」


「本当だぜ! いつかやり返してやるんだ!」



と、こいつら大声で喋りやがるから、並んでる客にめちゃめちゃ笑われて気分が悪いんだけど!



「はいはい2人とも、口ばかり動かしてないで手を動かしてね! 注文2つね!」


「クソ!鬼がーー!!」



「ふふふっ! あっちは大変みたいね! コーラは作るのが簡単で助かったわ!」



「って、チコ、余裕ぶっこいてるとこ悪いけど、コーラ8つ、今すぐね!」


「やっぱりこいつ鬼だったァー!!」



はぁ、どいつもこいつも失礼な! 自分たちだって食べたんだから、これがどれくらい売れるかなんて分かりきってた事だろ!


全部俺のせいみたいにいいやがってよ!



と、まあこんな感じで、忙しくも楽しく屋台をやってます!



ーーーーーー



「はい、次の方どうぞ!」


俺がそう言うと「はーい!」と、聞きなれた声が聞こえてきた!


「え、父さんと母さん?! なんで居るの?」


そう、客として来たのは、明日の生誕祭の準備をしてるはずの父さんと母さんだった!


「ふふふっ、お昼を食べに屋台通りの方へ来てたら、なんか行列があったから、ついな並んじゃった!」


「それにしてもノア! 随分と楽しそうなことをしているんだね!」


「まぁね! ハリーとチコがどうしてもお小遣いを増やしたいって言うから、仕方なくね!」


と、適当なことを言うと、すぐに後ろからツッコミが入る!


「おいノア!嘘つくんじゃねー!!」


「あんたがこの話持ちかけて来たんでしょうが!」


「あれ? そうだっけ?」


と、3人はいつものノリでじゃれあうのだが、1人だけ、そんなことは気にならないほど驚いてる奴がいた!


「なあハリー、今、ノアはあの人たちを父さん、母さんって呼んだのか?」


そう、アレクロットだ!


「ん?おう、当たり前だろ! あいつの両親なんだからよ!」


自分が出した問に対してのハリーの答えに、アレクロットは驚愕する!


あれはいつかのパーティーで1度見かけたから間違えない!


大戦の英雄 雷帝のデイリス様だ、そして隣にいるのが奥様のルーベッシュの青い悪魔、テスナ・ルーベッシュ、いや、テスナ・センバート様だな!


てことは、ノアは・・・


アッ! そういえば昨日、ノアは水でドラゴンを作り、人型に雷魔法を使ってた!


水魔法屈指の使い手であるテスナ様の水と、雷帝で広く知られるデイリス様の雷魔法。


こいつ、本当に英雄の息子なのか!!



「なあハリー? ノアの本名って何?」


アレクロットは、自分の中ではもう結論は出ているが、最終確認をとるために質問した!


「は? 聞いてないの?あいつの本名はノアール・センバートだよ! 英雄の次男坊だ! 」



本当にそうなのかよ!スゲーな!


昨日ルミーリアがたまたまぶつかったのが英雄の息子とは…この縁を持たせてくれたルミーリアには感謝しないとな!


ーーーー



一方デイリスとテスナは、いつもの3人に混じって、1人多いのに気になり、ノアに聞く!



「ねえノア? ハリーとチコはいつもの事だけど、そちらの子はどなたなの?」


「ん? あぁ、こいつは アレクロット! 昨日妹が迷子のところを偶然助けてね! なんかお礼がしたいとか言って聞かなかったから、こうして屋台を手伝わせてるの!」


と、俺は簡単に説明した!


だが、それを聞いた2人は、どうも神妙な面持ちをしながら、2人でヒソヒソと喋ってる。



ーーーー



「ねえデイリス、今のノアの言った事?聞いた?」


「うん、すごい名前が出てきたような気がしたね!」


そう言って2人で、いつもの3人の中に増えてるもう1人を見つめる!


すると視線に気づいたアレクが、慌てた表情で首を横に振りながら、人差し指で口元を押えて


「シーーー、黙ってて下さい!!」


とゆう合図を送ってきたので、2人はただ1回頷いて、わかったとゆう合図を送り、注文の品を受け取って、列から外れて行った!



ーーーー


「ちょっとおい!ノア! お前あんな親がいるなら教えておけよ! なんで隠してんだよ!」


父さんたちが帰ると、アレクがいきなりそんなことを言ってきた!


「て言っても、話したところで信じないだろ? それに周りにバレると面倒なんだよ! お前だってそうゆう理由で家名を隠してるんじゃないのか?」


と聞くと、「まぁそうだけどよ」と返ってきた!


そして、俺がまた話そうとすると


「おい!注文良いか?」


と、客の呼びたわしがかかった!


「ッ! はい!ただいまー!」


この屋台は、ろくに会話をする余裕もないくらいに繁盛しているらしく、嬉しいが、さすがに疲れてきた!


だが、俺たちの屋台での闘いはまだまだ続く!




ーーーーーーーー





「本当にこのお好み焼きはいつ食べても美味しいわね!」


「うん、でもこれを屋台で売り出すとは、やっぱりノアは少し僕達とは感覚が違うね!」


デイリスとテスナは、近くにあったベンチ腰掛け、先程息子がやっていた屋台で買ったお好み焼きを食べながら、だんしょうしていた!


「感覚が違うのもそうだけど、あの引きの強さも異常だと思うわよ!」


「ふふふっ、確かに、ノアの一番の才能は、あの異常な運の良さかもしれないね! 」


「えぇ、本当よ! 3歳でオークに襲われて討伐したり、空間魔法の適性があって鬼の里を見つけたり、ダリルが見つけた蕾の開花をさせたら精霊がでてきたり」


「私も冒険者として色々回ったけど、獣人種は港で見かけることもあったけど、さすがに鬼なんて種族は見たこともなかったし、精霊だって話に聞いた事があったくらいだからね」


「そう考えると更にあの子の引きの強さが際立つわね。」


「うん、そして今度は、この国の第3王女を迷子から助けて、第3王子と屋台でこのお好み焼きを売ってるんだから・・・本当なんなんだろうねあの子」



「ノアの将来は私たちの見た事のないものばかりで楽しそうではあるけど、少し心配でもあるわよね」



テスナは少し寂しそうな表情をしながらそう言うが、ここはデイリスがフォローする!


「ふふ、まあ大丈夫だと思うよ? だって私達の子だよ? それに頼れる姉兄もいるし!」



「そっか、確かにそれもそうね!」



そんな会話を楽しみながら、2人は息子プロデュースのお好み焼きを口に運ぶのだった!




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