第49話 火傷三人衆!



「おはよー!」


「お!来た来た!」


「遅かったわね、ノア! 私たちなんて楽しみで早起きしちゃったわよ!」


「ふふ、それは俺もだよ! こんな本格的にものを売るのなんて初めてだからな!」


「よし、今日はいっちょやってやろうぜ!」


「「「オォー!!」」」



俺は今、西区に来ている!


ここに宿をとった、ハリーとチコを迎えに来たのだ!


2人もめちゃめちゃ楽しみにしてたらしく、宿に着くと入口の前でいつもの口論をしてやがったよ!


ま、これから死ぬほど働いてもらうから、2人とも元気で何よりだけどな!


「なあノア、それがコーラとは別のもう一個のやつか?」


と、ハリーが荷物を指さして言った!


いくらこの2人が親友だとしても、空間魔法の事は話せないので、今日使う食材を、こうしてわざわざじいちゃんの家からサイコキネシスで浮かべて持ってきたのだ!


「そーだよ、屋台の建物作ったら教えるよ!」


「お、楽しみだなー! 早く行こうぜ!」


そう言って、2人は走り出して行った。


おいおい、俺が居ないと場所分からねーだろ!


「本当にしかたねえなあいつらは!」


俺はボソッと呟き、2人のあとを追う!



ーーーーーー



「おはよぉー!おっちゃん!」


「ん?おぉ昨日の坊主か! お前本当に屋台やるんだな!」


「だから昨日そう言ったでしょ! 隣、使わせてもらうよ?」


「おうよ!別に俺の土地でもねえからな、好きに使いな!」



そう言ってくれたのは、果物屋をやってるおっちゃんだ!


昨日の場所探しで一番いいと思った場所が、このおっちゃんの果物屋の隣の空き地だったのだ!



場所的には、西と南の境目の通りよりも、少し北側にそれた通りなのだが、昨日見た感じでは、今ハイルデンに集まってきている貴族たちの御者や使用人、騎士たちといった、一般より収入が高い人達が多く通る場所だ!


おっちゃんに許可を得て、早速土魔法で屋台を建てていく!


「おおお、おい坊主! お前魔法を使えるのか! 」


「まあね、俺だけじゃなくてこの2人も使えるよ!」


俺がそうゆうと、そばにいたハリーとチコも詠唱をして魔法を発動する!


2人は今も、俺と同じように毎日魔法を使い切る特訓をしており、魔力の操作も割とマシになってきた!


もう少し操作が上手くなれば、多分無詠唱での発動もそこまでま夢ではなくなると思う!



「ほぉー、その歳でその練度とはすげーな坊主ども! もしや魔道学院の生徒か?」



「いやぁ、違うよ? まあ、再来年に入学する予定だけどね!」


「「俺たちもな!」」



そう3人で仲良く言うと、おっちゃんは何故か嬉しそうに夏みかんを3つ、俺たちにくれた!


「うぉーまじか! ありがとな、おっちゃん!」


「あんがとぉー! うんめぇー!」


「いただきまーす!」


と、ハリーとチコは挨拶もろくにせず、貰ったそばから食べ始めやがった!


たく、礼儀がなってないんだから!



と、そんなことを言いつつ、俺は屋台を少し2人に見ててもらい、1人でその場を離れた!



ーーーーーー



「お、ノアー!こっちこっち!」


「あ、いたいた、ほんとに来たんだね、アレク!」


そう、昨日ぶつかってきた少女、ルミーリアの兄、アレクロット、通称アレクだ!


今は庶民の服を着てはいるが、昨日の服装を見る限りこいつはどこかの貴族で間違いない!


と言う俺も、一応は貴族なんだけどね・・・



「本当に来たって…当たり前だろ! 妹が世話になったんだし、昨日手伝うって言っちゃったしな!」


はぁ、まあこれが普通の貴族とゆう生き物らしいぞ!


プライドが高そうだ!


センバート家は貴族の中では、かなり変わった家だろうな! 使用人に感謝を伝えるのなんかまさに例外だろう!


ま、今はどうでもいいけどね。


そんなことを考察していると、アレクが聞いてくる!



「それより、俺は今日何をすればいいんだ?」


とね! する事は単純だよ!お好み焼きを焼くだけだ! ただひたすらにがむしゃらに、アレクにはお好み焼き、焼きマシーンと化してもらうのだ!!


「あぁ、屋台の手伝いだよ、忙しくなるから死ぬ気で働けよ!」


俺はそうニヤニヤしながら言いながら、屋台の場所へ向かったのだ!



ーーーーーー



「戻ったぞ!」


「おう!どこ行ってたんだ?! って・・・」


「え、そいつ誰よ!」


ハリーとチコは、アレクを見て呆然としている!


ふふふっ!2人揃って間抜け面しやがって! 最高に面白いじゃないか!!


と、2人のキョトン顔を見て笑ってたら、2人に睨まれたので、紹介しておく!



「こいつはアレク! 昨日迷子になってる妹を助けてね! その礼で今日は手伝ってくれるんだってよ!多分貴族だけど、その辺は気にしてないみたいだし適当で良いよ!」


と、俺がそう言うと、アレクは少し困惑しながら被せる


「いやいや適当で良いって…それって俺が言うセリフだよね?」


「え? でもいいでしょ?」


「あ、うん、良いんだけどさ…」


アレクは腑に落ちないようだ。


だが、俺を含めた3人の悪ガキにはそんなことは関係ない!



「なるほどな! 貴族でも気を使わなくて良いなら、俺はいいぞ! 面白そうだしな!」


「ええ、私もいいと思うわよっ!! ノアが見つけてきた子だしね! なんか面白そう!」


と、2人も乗り気になってくれた!


さすがに3人で捌くのも限度があるかな?と思ってたのでマジで安心だよ!


「俺はハール! よろしく!」


「私はチコチーニ! まあ長いからチコでいいわよ!」


「あ!チコずりぃ〜ぞ! 俺もハリーでいいぞ! 親しい奴はみんなそう呼ぶ!」


おいおい、初対面の奴の前で!愛称の取り合いとかやめろよ恥ずかしい!


俺はそんなふうに思うが、アレクはそれが少し嬉しかったのか、ニコニコしながら自己紹介をする!


「どうも、俺はアレクロット! アレクって呼んでくれると嬉しいよ!」


「おう!よろしくなアレク!」


「楽しく行きましょ!楽しく!!」



とゆうわけで、2人の許可も出たし、いよいよこの4人で、今日のメニューと、注文からの流れを確認しておく!



「じゃあまずは、チコが担当するコーラから、まぁこれは簡単だよ!」


そういって、コーラの材料の前で教える!



「注文が来たら、この台の上のコップを取って、まずはこの右側の透明の液体を尺4杯分いれる! そしたら今度はこのレモン汁を、このスプーン1杯分入れて、左の樽にある茶色いのを人掬い入れたら軽く混ぜて完成だ!」


そう言って実際に作って見せて、3人には飲んでもらう!


「くぁわーーーー! 口の中シュワシュワするけど、やっぱ美味い!」


「不思議よね、別に大したものは入れてないのに!なんでこんなことになるんだろうね」


ておい! コーラシロップは大したもんだぞ! どんだけの香辛料つかってると思ってんだよ!


と言った所で理解されないので!心の中だけでツッコんでおく!


そして、炭酸飲料初めてのアレクはとゆうと


「うっわ!何だよこれ! ジュワジュワするぞ!ノア!これは大丈夫なのか?」


と、大慌てで俺に確かめてきた!


くくくっ!その反応を待ってたぞ!


「大丈夫!そうゆう風に作ってるから! でもアレクのその反応だと、一発目に驚きすぎる可能性があるな! 名前を『シュワシュワコーラ』にしようか!」


と、こんな感じで進めるが、コーラは簡単だからいいんだよ!


次はお好み焼きだ!


これも言ったらタネに混ぜて焼くだけだけど、焼き加減とかはちょっとムズいだろうな!


まあ、砂時計を使うから大丈夫か?


そう思いながらも、俺は2人分を作りながら説明していく!


「まずはこのキャベツ達のタネを、ボウルに入れる! そこにこの『天かす』ってゆうこのたま粒と、生姜を入れる! そしたら軽く混ぜて、鉄板焼いていく!」


と、まあ普通のやつだ!


「でこの砂時計をひっくり返して、一回目が落ちきったら、これをひっくり返す!」


そう言って、テルヌスの鍛冶屋に作ってもらったヘラを使って、ひっくり返す!



「「「おぉーーー!」」」


綺麗にひっくり返せたので、3人の関心の声も聞こえるが、今はほっとく!


「そして同時に卵を1つ鉄板で焼く! 卵は下に敷けばいいよ!これでさらに砂時計をひっくり返してやれば終わり! 後はこのソースをハケで塗って、マヨネーズをこうかける! そして青ネギを上からふりかければ完成だ!」


と、めちゃめちゃ美味そうな匂いを放つお好み焼きに、俺たちは即フォークを入れる!



「うんめぇ!何だこれ! 簡単なのにめちゃめちゃうめーじゃねーかよ!」


「うわ!マジだよ! またノアがやりやがったわね!美味しい〜!!」


「こ、これは凄いな! 俺もこんな美味い料理はたべたことないよ」


「ておいっ! そんながっつくと口の中・・・」


「「「あっちぃゃーーー!!!」」」


ほら、言わんこっちゃない。



このアホ三人衆は、仲良く揃って口の中を火傷したらしく、すぐにキンキンに冷やしたコーラを要求してきた!


「焼きたてなんだからそうなるのは分かるだろ!」


「うるせ! 火傷してでも食いたいほど上手いんだよ!」



だそうだ! まぁ鰹節がないのが寂しいけど、それでも美味い事に変わりはないし、こいつらの反応からして、やっぱり今日は忙しくなりそだな!



ーーーー



そして試食をした後は、何個か練習で作らせみたが特に問題は無かった!


最初はひっくり返すのに失敗すると思ったが、どうゆうわけかめちゃめちゃ綺麗にひっくり返しやがるのだ!


まあ上手くできるなら支障はないので、これでいける!



「よっしゃ! じゃあそろそろ開店しようか!」


と、匂いにつられてやってきた騎士風のおっちゃんたちを見て、3人に声をかける!


「よし!じゃあ今日は4人で儲けてやるぞ!」


「「「オォー!」」」



この世界初のお好み焼き屋台! ただいま開店だ!




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