第46話 屋台通り


ルーベッシュ子爵家


ドリス王国建国当初から続く名門貴族家の1つであり、テスナ母さんの実家である!



「お久しぶりですお義父さん、お義母さん!」


「おぉおぉ、久しいのーデイリス! 元気にしておったか?」


「えぇ、お陰様で元気にやらせてもらってますよ!」


「あらあらそれは何よりね! ささ、皆あがってちょうだい!」


そうおばあちゃんに促され、俺たちはルーベッシュ家にあがるった!



ーーーー


さすがと言っていいのか、 家の中は飾りすぎないくらいに装飾品や調度品、絵画があり、ものすごく洗練された内装で、さすがは名家と思ってしまった!


そんな邸宅のリビングで、自己紹介がてら軽く話をする!



「お母様、お父様、この子が次男のノアールですよ! ほらノア! 挨拶しなさい!」


「初めましておじい様、おばあ様! 次男のノアールです! よろしくお願いします!」



「ほぉ、5歳のくせになかなかしっかりしとるの! ワシはケルト・ルーベッシュ、ノアールよ、お前のおじいちゃんじゃ! 」


「私はイレース・ルーベッシュ、あなたのおばあちゃんよ、ノアール!」


て、なんかさも当然のようにビシッと挨拶してるけど、さっきのあの素の感じ、忘れてないからね!


じいちゃんも凄かったけど、ばあちゃんもかなりの形相でケルトじいのハゲ挙がった頭皮ぶっ叩いてたからな!


もしかして、あれのせいでじいちゃんハゲてるのかな?



「エルーナも久しいの!」


「はいおじい様、今回はおじい様とおばあ様に会えるのを楽しみにしておりました!」


と、こんな感じで自己紹介が終わり、とりあえず疲れてるだろうとの事で、王都滞在中に使う部屋に通された。



ーーーー


俺たちが通された部屋は2階の大きな部屋で、やはりここも飾りすぎない装飾がされていて、洗練された部屋の雰囲気だ!


ここにいつかほど滞在できると思うと、少し嬉しい!


そんなことを思っていると!



「ノア、あとは私たちでやるから、あなたは遊んできても良いわよ? どうせ外が気になってるんでしょ?」



と、荷捌き中に母さんが提案してくれた!


本音を言うと、気にはなってるが、別にそこまで急いでないし、むしろ今すぐ寝たいとさえ思っていたくらいだけど、まぁせっかく母さんが言ってくれたからな!


「え?本当にいいの? なら行ってくるよ!」


「ええ、行ってらっしゃい!」


「気をつけて行ってくるんだよ?」


「うん!」


俺は懇親の演技で、めちゃめちゃ行きたがってた子風を装い、部屋から出ようとしたら、父さんに念押しされてしまった!



ただ、俺は別に何かをしているつもりでも無いので適当に返事をし、邸宅を出てハイルデンの中心の方へ向かう!



ーーーーーーーー



「へいいらっしゃい! そこのお嬢さん1本どうだい?」


「あらやだ、お嬢さんだなんて! 3本頂こうかしら!」


「へいまいどー!」


っておい! なんて簡単に引っかかるんだよ!



北区の貴族街を抜け、西と南の境目の道に歩いてきたのだが、やはりどこも活気がすごい!


色んな屋台やお店が並び、たくさんの人がワイワイと売り買いをする!


1970年とか80年の日本の商店街はきっとこんな感じだったんだろうな!


そう思うと余計に楽しくなってきて、つい美味そうな串焼きを買ってしまった!



俺がこの辺りに来たのには理由がある!


それはついさっき、ルーベッシュ邸を出る前の事


ーーーー



「ねえおじい様!」


「ん?おじいちゃんで構わんぞ?ノアールよ!」


「じゃあじいちゃん、ハイルデンの中で屋台が沢山並ぶ場所ってどこ?」


「なんじゃ屋台を見て回るのか? 飯物系なら断然南と東の栄目の通りじゃな! あそこは商会なんかも多いし、魔道学生や寄宿学生が沢山いるからな!」


ほぉ〜、なるほどな! 貴族も多い学生をターゲットしてるのか!


「んで、道具系ならば東じゃな! ただ、もし東に行くなら細道には入らん事じゃ! 痛い目見るぞ!」


「痛い目って?」


「それはな、女の子に店内に連れ込まれてあんな事やこんなことをな!」


おいジジイ! 5歳児の孫に何教えてんだ! あんたアホか!


「って、あ!止めて!」


俺はケルトじいの背後に迫る影を見て、咄嗟に止めようとしたのだが、じいちゃんはエンジンがかかってしまって止まんない。


「 んでな!ここからが大変じゃったんじゃが、帰ってきたらイレーヌのやつにしこたましばかれたんじゃ、はぁ、あん時は本当に死ぬかと思ったのう。」


じいちゃんがそう言い終えた瞬間!


じいさんの背後から手が伸びてきて、そのままツルツルの頭を鷲掴みにした!


これにじいちゃんはビクッ!とかたをふるわせ


「ッ!ちょ、ノアール、わしの後ろに誰かおるか?」


切羽詰まった表情でケルトじいが聞いてくるが、俺はただ目を瞑って首を横に振った。


まあ、その後のことは、まあ想像に任せるよ


叫び声だけは、こだましてたけどね・・・



俺はこの時、イレーヌばあちゃんだけは怒らせてはいけないと確信した!



ーーー



とゆうことで、俺は明日開こうと考えている屋台をどこに設けるかと、市場の調査をしに来たとゆうわけだよ!


とりあえずはじいちゃんに言われた通り、食べ物が多い南と西の境目の通りに来ているとゆうわけだ!



「おっちゃん!この串焼き、あと20本頂戴!」


俺はそう言いながら、1本銅貨2枚の串焼きを、20本買う!



スパイシーで美味かったので、空間コンテナにストックしておくのだ!


時間停止能力があるので、冷めないどころか、腐ることすらない保存空間だ!


出先で簡単に取り出せる食事としては良いもんだろうからな!



「待たせたね!坊主! 主人之使いかい? 」


「んー、まあそんなとこ!」


「おう!そりゃ頑張れよ坊主! ほれ!1本サービスだ!受け取っとけ!」


「うわ、マジ? ありがと! 」


なんか知らないけど、1本サービスして貰っちゃったよ!


適当に言っただけなのにイージー過ぎない? 大丈夫か?店主!



サービスして貰った俺が、何故か心の中目突っ込んでしまったよ!



そんなこんなでブラブラと歩いていると、ジュースを売る店を見つけた!


お!あったな!コーラのライバル店!



そのジュース屋は結構な列を作っており、コップを持参するかその店で購入するかして、その一杯分のジュースを売っているらしい!


値段は1杯銅貨5枚!


他の屋台の料理の値段は基本銀貨2枚くらいまでなので、少し高い気もするが、飲まないと意味が無いので、列に並ぶことにしたのだ!


順番が回ってきて、コップとジュースの両方を買うと、銅貨8枚だった!


500mlほどで800円・・・普通に高くね?


とまあ他社批判はさておき、近くに座れる場所があったので腰を下ろして、早速飲んでみた!



「ウッマ!何これ」


そのジュースは桃のような味の実をベースに、色んな果物を混ぜてあり、酸味と甘みがいい具合に喉を通り、その後に爽やかでスッキリとした香りが鼻をぬけていく!


その快感をもう一度味わいたくて、また1口、次も1口とどんどん進むのだ!


ただ、このままだと濃厚すぎて、水とかで割った方が美味そうな感じなので、多分殆どの人はこれをなんかで割って飲んでるんだと思う!


そう考えると、1杯銅貨5枚とゆう値段も、そんなに高くは無いのか?


そう思えるだけのクオリティだった!



ただコーラよりも美味しいかと言われるとそうは思はない!


何しろ世界中で親しまれるあの味だぞ?


そう簡単に抜かれることも無いだろう!


俺は内心ほくそ笑みながら、飲み終わったコップを空間コンテナにしまい、またブラブラと歩きはじめる!



少し歩くと、偶然人の波にぶつかり、前が見えない状態になった!


すると突然人影から小さな女の子が飛び出してきて、俺にぶつかる!


しかも、その拍子に少女が持っていたジュースが全部俺にはドボンして、俺はビッチャビチャの水浸しだ!


「あらら・・・マジかよ・・・」おいジジイ! 5歳児の孫に何教えてんだ! あんたアホか!


突然のことすぎて俺はキョトンとするしか出来なかったのだが、ぶつかった女の子が泣き出す手前の、少し息が浅くなり目に涙が溜まる兆候が見えた!


おいおい!泣きたいのはこっちだぞ! 頼むからこれで機嫌直してくれよぉ〜!


こんな人混みで少女に泣かれても困るので、俺はある作戦で少女を泣き止ませてみることにした!


名ずけて『ハイルデンウォーターショー』だ!



泣き止んでくれるかな・・・






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