第45話 じいちゃんとばあちゃん!


あれから村での宿泊や野宿を繰り返し、数回魔物との遭遇はしたものの特に損害もなく、俺たち一行は王都領の関が見える場所まで来ていた!



「ノア、いよいよ王都ね!楽しみだわっ!」


「うん姉さん!俺もワクワクしてるよ! 」


やはり都会には都会の良さがあるのは確実!


それは生まれてから死ぬまでの34年間東京で過ごしていた俺にはよく分かる!


この世界のこの国の中心! 楽しみに決まってるだろ!



エルーナ姉さんは久しぶり、俺は初めての王都にドキドキしている!


俺たちのそんな姿を見て、父さんと母さん、そして今同乗しているメイドのタミアは微笑むのだった!



ーーーーーー


「止まれー!」


俺たちは王都領の西側にある、大きな関の門番に止められた!


「どうも失礼します! 身分証と王都へ来た目的を お願いします!」


門番の渋いオッサンにそう言われ、父さんは貴族バッチを出し、第3王女の生誕祭に出席する有無を伝えた


「こ、これはこれは! センバート卿でございましたか! かの雷帝どのにお会いできて光栄でございます!」


「ははは、どうも…」


父さんがデイリス・センバートだと知るや否や、対応したオッサンの表情が変わり、後ろで控えている門番達もが、父さんに挨拶をしていた!


「父さん、さすがは国の英雄『雷帝デイリス』様、大人気だね!」


「ちょっとノア! そんな言い方はやめてくれるかい? あまり好きではないんだよ、その呼び名は」


「はぁーい!」


父さんは雷帝とゆう2つ名をあまり気に入っていない!


それは一重に、雷の魔法をまとって身体能力の超向上をすることは出来るが、雷を放ったり落としたりする事は出来ないからだ!


分不相応な2つ名で、恥ずかしいらしい・・・



俺は恥ずかしいからだと思ってたんだけど、この世界では、本当に中二病丸出しの名前のものが当たり前にあるらしく、名前で恥ずかしいとは思はないらしい


俺がそんな大層な名前なんてつけられたら、めちゃくちゃ恥ずかしいのにな…



そんな事を思っていると、馬車の検分で、一度馬車から降ろされた。


「ねぇ門番のおっちゃん! 検分って、人が通る度にしてるの?」


「お? あぁそうさ! ここから先は王都、ただえさえ人が集まるからな、少しでも危険を減らすのが俺らの務めだからな!」


「へ〜、大変なんだね!」


「ハッハッハ! 坊主はデイリス様のお子様だろ?」


「そうだけど?」


「ならこれから分かると思うが、坊主もだいぶ大変になると思うぞ! 英雄の息子も期待されるというものだしな!」


「あ、なるほどね、確かに・・・色んな目で見られそうだね。 めんどくさいな!」




ーーーーーー


「デイリス様! 後ろの馬車の検分も終わりました!特に問題はありませんので、お通り下さい!」


当然の事だが、検分は無事終わり、俺たちはいよいよ、王が住む街『ハイルデン』へと向かう!



「じゃあテスナ、ハイルデンに着いた後の流れをもう一度おねがいしてもいいかい?」


「ええ、ハイルデンにはすぐ着くから、簡単にいくわよ!」


そう言って、ハイルデンに着いてからの大まかな予定を、テスナ母さんが説明してくれた!



現在9月18日、時刻は10時頃!


まず、ハイルデンに到着し次第二手に別れ、俺たちは母さんの実家へ! ヘルツェン、エンドール、ハール、チコチーニは、東区域にある宿へ向かう!


とりあえず今日は度の疲れもあるので、特に何もしないそう、母さんの実家、ルーベッシュ家でまったりしていいそうだ!


19日は、父さんと母さんは翌日の生誕祭の準備が、エルーナ姉さんも、普段は会えない人達とのお茶会があるらしい!


5歳の俺は特にやることは無いんだけどね!


20日は父さんも母さんも生誕祭に出かける!


エルーナ姐さんも多分用事が入るらしい


せっかく王都まで来て予定三昧とは、姉さんも大変だな!



そこから先はまだ決まってないらしい!


「ノア、特に行動に制限はしないけど、無茶したり危ない場所には行っちゃダメよ?」


「はーーい!」


って! 母さんは俺をなんだと思ってるんだよ!


俺ってなんでこんなに無茶する人設定になってんだ?


完璧に5歳児を全うしてるとゆうのに!



そうなこともありつつ、母さんからの大体の説明が終わると、直ぐにハイルデンの外壁が見えてくる!



「デ、デッケー!!!!」


センバート領のテルヌスの街の外壁は太い丸太に土を塗ったものだが、ここの外壁はさすがは王都!


全てレンガ造りで高さ10mは余裕である!


そして何より横から見ただけでもめちゃめちゃでかい!



母さんから聞く話だと、直径3〜4㎞くらいはありそうだ!


デカいに決まっているのだが、聞くのと見るのはやっぱり違う!


ふふふっ!楽しくなってきた!



ーーーーーーーー



「問題ありません!お通りください!」


ここでも検分をして、街に通された!


俺たちはそのままハイルデンの西門から入ったのだが、もう感動モノだ!


二階建ては当たり前の設計の街で、センバートには見られない、石造りと木組みが融合した建物や、総レンガ造り建物、そして通りには屋台なんかも多く見える!


そして何よりも、活気に溢れてる!


人の数がセンバートなんかとは、到底比べ物にならない程、圧倒的に人が多く活気がある!


そして建物の影に半分ほどかくれてはいるが、中心の方に大きな建物、 王城がある!


これぞアニメで見た中近世のヨーロッパ風の異世界だ!



「ちょっとすごいよ! 3階建ての建物も普通にあるじゃんか! 」


「ええ、でしょ?すごいでしょ?」


なんで母さんがそんなに得意げなのかは知らないが、だめだ!


テンションがおかしなことになってる!


ただ、馬車に着いている窓から外を除くと


どうやら街の人たちも俺たちのことをじーっと見たりチラチラ見たりと、まあ見ちゃみちゃ見られてる!



なんでかと思い父さんに聞こうとするが、その父さんの表情で何となく察したよ!


馬車にはセンバートの家紋のエンブレムが着いている!


これを見た街の人達が、英雄を1目見ようとこっちを見てくるのだ!


「ノア、あまり顔を出さない方が良いわよ? 顔を覚えられたら街を歩く時大変だもの!」


「そうよ! ダリルなんてそれで酷い目にあったんだから!」


と、女性陣から恐ろしい言葉が放たれたので、俺は直ぐに窓のカーテンを閉めた!



両境の関のおっちゃんが言ってたのはこうゆうことか!


確かに英雄の子供は大変だ!



ーーーー



俺達はとりあえず、騎士のヘルツェン達が泊まるホテルの前まで来ていた!




「おいノア! なんで出てこねーんだよ!」


「今日はもう会えないのよ? ちょっとくらい顔見せなさいよ!」


大人たちが馬車の外で最終的な打ち合わせをしているので、馬車から降りたハリーとチコが俺を呼びに来る!


たが、ここで降りると大変なことになるらしいからな!


「仕方ないだろ! この馬車に乗ってるって街の人達にバレると、気楽に外も歩けなくなるんだよ!」


「そんなのいい自慢かよ! 俺たち友達だろ?」


「良くねーよ!アホか どうせ明日は例のアレがあるだろ! 明日迎えに来るよ!」



そう、今日の昼からはこの街をブラブラしながら、屋台を出すに良さそうな場所を探して、明日!屋台でガッポリ計画を発動するのだ!


「あ、そうえばそうだったね、例の計画」


「なるほどな! ならいっか!、またあしたな!ノア!」


「おう!」


「エルーナ様もごきげんよう!」


「あら! うふふっ、チコちゃんもごきげんよう!」




やはり子供たちが仲良くしているのは嬉しいのか、大人たちは俺たちを見て微笑みっぱなしだ!



ーーーーーー



大人たちの打ち合わせも終わり、俺たちはいよいよ母さんの実家、ルーベッシュ家へ向かう!



ルーベッシュ家は現在、母さんの父親はもう退官しており、今はテスナ母さんの弟が、ルーベッシュ家を切り盛りしているらしい!


母さんも久しぶりに会うから楽しみだそうで、さっきからワクワクしてる!



俺たちが入った西側から、だんだん北に上がっていくと、先程とは少し異なり、少し物静かで、見かける人たちも上品な服装の人が多くなってきた!


北区は王宮で働く貴族たちや地方貴族の別荘なんかがある、貴族街らしい!


まったり落ち着いた感じとゆうのが適切な表現だろうな、西の騒がしさも好きだがこっちの感じも俺は好きだ!


ゆらゆらと馬車に揺られること数分、俺たちは目的地であるルーベッシュ邸に到着した!


ルーベッシュ家は多分センバード家の家よりも小さい!


まあ土地が限られているとゆうのは大きいのだろう!


周りの貴族の邸宅も、日本の一軒家なんかに比べれば当然でかい豪邸だが、それでも領地貴族と比べると、少しちいさめの家ばかりだからな!



ーーーー



「じゃあ行くわよ!」


珍しく母さんがしきりながら、屋敷の扉をノックする!


すると中から出てきたのは、メチャメチャシュッとしたおじいさん執事だ!


「こ、ここ、これは驚きました!テスナお嬢様ではありませんか!」


「ふふっ、久しぶりねライガー! でもお嬢様はやめてちょうだい! 私ももう4児の母なのよ?」


「いえいえ、私たちにからすれば、いつまでもお嬢様はお嬢様ですので」


そう言ったライガーとゆうおじいさん執事は、なんだか嬉しそうで、少し寂しそうな顔をしていた!



その後、ライガー近くを通り掛かったメイドに知らせを頼み、俺たちの対応をしてくれた!


「ライガー、今回も厄介になるね!」


「いえいえ、英雄のデイリス様をお迎えできる事は、私どもにとっても光栄な事でありますので、是非ゆっくりしていってください。」


と、軽く挨拶をしていると、奥の方から


バタンッ! ドタドタドタドタッ!


と、ものすごい足音とともに、奥から走ってきたじいさんがら大きな声で叫ぶ!



「テーーースナァーーーー!!」


「あ、お父様!」



なんだ、母さんが「お父様」って呼ぶって事は、俺のじいちゃんか・・・


「エッ!これが俺のじいちゃん?」



じいちゃんは玄関で人前なのもお構い無しに母さんとハグをしている!


すると、後ろから女性が現れ、そんなじいちゃんの頭をひっぱたいた!


「うるさいよこのハゲ親父! 孫の前で恥ずかしいったりゃありゃしないよ!」


その女性がそう言いながらもう1発じいちゃんの、頭皮目掛けて平手打ちをすると、母さんが嬉しそうに言った!


「お母様!ただいま戻りました!」


まぁ、そうだよね・・・



どうやら俺の祖父母は、だいぶ個性的な人達らしい。





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