第44話 友情の名の下に


あれから二度寝し、お昼の休憩で起こされたので、馬車からおりると、そこは小さな村だった


「父さんここどこ?」


「ん? ここはルンスヴァーン男爵の領地にある村だよ! ここの外れでお昼を取らせていただくことになったから、あっちの空きスペースに、かまどやらを作ってくれるかい?」


「そうなんだ、わかった!」



説明ついでに父さんにかまど作りを頼まれたので、魔法で速攻作っておく!


ついでに作業用の広めの台も作っておいた!


と、俺が適当に作業を終えると


「はぁー、やっぱりノアの魔法は意味不明なほど早くて繊細だな!」


「自分たちも多少魔法を操れるようになったからよく分かるよ、ノア、あんた化け物なのよ!」


と、ハリーとチコがこっちに来てそう言う!


「まあハリーとチコの魔法と比べればそうだろうね、俺は毎日欠かさず全属性使ってるからね」


草を切ったり、花に水をやったり、火をつけたり、造形物作ったり物浮かせたり


基本の五属性の魔法は本当に便利なので、使わない日は無いのだ!



「なぁーに偉そうに言ってんだよノア! ままに膝枕されて喜んでたやつがさ!」


「ふふふっ!可愛かったわよ!ノアちゃーん!」


「ち、うるせーな!」


こいつらのことだ、あと数日はこの事を言われ続けるんだろうな。


ほんと覚えてろよ!


そんなふうに思いつつ、キッチンの用意ができたので、3人で、皆から少し離れた場所である打ち合わせをする


ーーーー



「よし!ここらでいいか」


「おいおい、話ってなんだよ」


「ノアが内緒話とは珍しいね!」


俺がここに来たのは屋台の件を話すためだ!


「2人とも、王都に行くのはいいが、お小遣いは貰ったか?」



俺がそう聞くと、2人はニンマリとしながらベルトについてるポーチから、銀貨3枚を取り出した



「もらったわよ! こんなにね!」


「俺もな!」


だとさ、はぁ



銀貨5枚、日本円にして3万だ


と単純に言っても、使い道や価値観がまるで違うので、あくまで銅貨1枚100円レートで換算した場合の話だけど、5歳児に3万


2人の家もセンバード家の騎士の中でも上の方だからこんなものだろう


でも、今から行くのは王都!



「甘い、甘すぎるよ君たち! 私達は今、どこに向かっている? 言ってみろ! ハール君!」


「は? 王都に決まってんだろ!」


「そう!王都だよ王都!我がドリス王国の国王が住む街、 国の中心! そこには人と金がわんさか集まると聞く!そして都会は物価が高い! 果たして君たちの銀貨3枚で、何を買えると言うのか・・・」


俺がそう告げると、2人は少し不安そうな顔をした!


ふふっ、こうゆう所はまだまだ子供だな!


実際王都はセンバードより物価は高いんだろうが、行ったことないのでどんなもんかは知らん!


「そこで、だ! 君たち、王都で遊ぶお金は欲しくないかい?」


こんな誘い、怪しすぎて乗るヤツなんか普通はいないだろうな!


まあ、こいつらは確実に…


「欲しい!もちろん欲しいぞ!」


「貰えるもんは貰うわよ!」


ほらね、釣れた! 従業員ゲットー!



「ウンウン」


俺は大袈裟に頷いて続ける


「だよね〜君たち! ならいい方法がある! 少し働いてもらうことになるけど、確実に稼げる方法さ!」


「おう、やるぜ!」


「で、私たちに何させるのよ!」


よしっ!完全に釣れたな!


2人のマンパワーを補充できたので、今回売り出す物の説明をしてやる!


「それはね!」


そう言って、俺は土で作ったコップに、持ってきていた2本の水筒の片方、透明な方の液体を入れる!


「ん?何よこれ!」


「シーーー、仕上げはこれから!」


頭に大きなはてなマークを浮かべる2人を放っておき、もう片方の水筒に入った、すこし茶色がかった液体と、レモンの絞り汁をコップに入れる!


すると、コップの中で両者が反応して、ガスが発生する!


二ヒヒヒッ!



「おいノア! コップがなんかブクブクしてるぞ!」


「大丈夫なの?これ! 飲み物なんでしょ?」


「何言ってんだよチコ! こんなブクブクした変なもの飲めるわけねーだろ!」


「じゃあなんでコップに入れたのよ!」


ちょーーっと、喧嘩はやめてよ、本当にすぐ喧嘩するなこの2人は。



「ハアハーイ!チコが正解!これは飲み物だよ!

そう!名前はコーラ! 現代では知らない人は居ないほどの超人気炭酸飲料だー!!」


「「現代? 何それ」」


「まぁまぁそこはどうでもいいんだよ、この飲み物、簡単に言えば美味しすぎるんだよ!飲んでみな!」


と進めてみるが、こいつら全然コップを手に取らない!


「ちょっとなんだよ、普段は冒険冒険言ってる2人が、まさか多少見なれない飲み物相手にビビってるわけじゃないよね?ん?」


「ち、ママの膝で指しゃぶってぐっすり眠ってたノアちゃんに言われるのも癪だな!クソ!」


「そうそう!一気にグビっと飲まないと、美味しくないよ?www」


俺がそう言うと、ハリーとチコが、2人同時にコップのコーラを飲み干す!


「「カッ!ゴォホッ!ゴホゴホつわ! くそっ!ノアホッ!ゴホッ!」」


ふ、アホが!いじり倒した天罰なんだよ!


「何やってるのさ、一気に飲んだら喉痛いじゃんか、1口2口ずつ飲むんだよこれ」


「くそっ!ノア!待てこら!」


「待つわけないじゃんか!」



ーーーーーー


「「「はぁ、はぁ、はぁ、で? 2人ともどうする? 手伝う?」」」



ひとしきり追いかけっこした俺たちは!疲れきって、倒れ込みながら会話する!


「で、どれくらい稼げそうなんだよ、これ」


「んー、そうだね、現地に行ってから決めるけど、周りの飲み物売ってる店の倍くらいの値段で売るかな」


「へー、ならかなりいい稼ぎになりそうだけど、本当に売れるの?」


「普通の果物のジュースなんかとは比べ物にならなかったろ?売れる売れる!あ、あと もうひとつ売るものがあるんだけど、これは王都で教えるよ!」


「稼いだ金は山分けにするんでしょ?」


「それはそうだよ、役割は、このコーラを作る人、もうひとつの方を作る人、売る人になるから、どれも大切だからね!」


もう一つとゆうのはお好み焼きの事だ!


空間コンテナを使えるようになったので、タネを大量に作って持ってきている!


王都は物価が高そうだし、野菜は多分センバート領の物の方が美味いも思うので、こうなった訳だ!


それともうひとつ、お好み焼きを入れるカップは土魔法を使い、できるだけ薄く、そして綺麗で頑丈な物を作れた!


これも大量にコンテナに入れてある!


まだ早いが、準備は満タンで出発出来たのだ!



「そうか、なら算術ができるノアが売る人、チコがコーラ担当、もうひとつのやつは俺だな!」


「意義なーし!」


「私もそれでいいー!」


「よっしゃ! なら王都でいっちょ大儲けしてやるぜ!友情の名の下に!」


「「名の下に!」」


てこれなに?


まぁそんなことはどうでもいいか、ハリーの事だからノリだろうし



出発初日の昼食前、恐らく王都までの約1週間の道のりの中でも1番テンションの上がっているこの時間に相談してよかった!



こうして俺は、王都で一稼ぎするための従業員を確保することに成功したのだった!




ーーーーーーーーーーーー


翌朝、俺たち一行の中で俺、ハリー、チコだけが知る大事件が起きた!


それは!それは・・・・・・・・・・・・・・・


朝、ハリーとチコがまだ寝ているので、起こしに行って!とヘルツェンに頼まれ2人を呼びに行くと…


なんと!!



お股の辺りが濡れていたのだ!


し・か・も・!


2人ともな!


急いで俺の風+火のドライヤー魔法で乾かしてやった!


え?俺が何かしたって?


そうだよ?あいつら膝枕膝枕うるさかったからな、水魔法でチョチョっとやってやったのさ!



おねしょの事を口にしないかわりに、俺の膝枕の件も一切口にしないとゆう条約を結んだのだ!




そう! 友情の名の下にね!





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