第42話 出発
あの後母さんと話し合い、空間魔法の事はセンバート家の人以外には言わないことになった!
そして色々と試したが、空間魔法は、最初座標を使って色々やっていたが、地面に目印を書かず、目印をイメージするだけで転移させることに成功した!
どの魔法にも言えることだが、最初の発動は、体や脳が慣れてないのか、いくらイメージしてもなかなか発動できなかったりする
でも1度発動を成功させると、2度目3度目は割とすんなり発動できるようになるのだ!
ま、発動できたからと言って操作できるわけじゃないんだけどね!
と、まあそうゆうことで俺は空間魔法を使えるようになった!
今のところ分かっているのは
転移についてはこんな感じ
〇現在は頭の中でメモリをイメージして、そこの縦軸と横軸、そして高さ軸を決定させてからの転移になる
多分いずれは見た場所に転移させることも出来ると思う。
〇物質、生物問わず移動させることが出来る!
ここはサイコキネシスと大きく違う点だ!
まあ空間そのものに干渉する魔法なら、移動させるものの種類は関係ないか
〇質量、そして移動距離が伸びるほど、必要魔力も増える!
現在の魔力量なら、多分王都まで3往復は出来るんじゃないかな?
これから行くので正確には分からないけど、これも毎日少しずつでも魔力を使い切って増やし続けてきたおかげだな!
とまぁこんな感じ!
そしてもうひとつ
異空間を呼び出し、荷物おきにできる魔法
名付けて『空間コンテナ!』
〇異空間は時間の概念が存在しないらしい
これは砂時計を入れて何度も確認したから間違えない!
〇容量の概念もない
この魔法はつまるところ、異空間と現実の間に扉を作る魔法だ!
向こう側は覗いてみたが、ただただ果てしなく広がる空間だった
とまあ、空間魔法の概要はこんな感じ!
めちゃめちゃ便利だけど、転移に関してはかなり気をつけなくちゃいけない!
1度スプーンを転移させて、土にのめり込んだ事があった。
もしあれが俺だったらと思うと、だいぶ怖いだろ?
なので空間魔法は今のところはコンテナだけ使い、転移はまだ訓練しないと使えそうにないよ
ーーーーーーーーーー
空間魔法の概要はいいとして、今は午前4時頃
父さん、母さん、エルーナ姉さん、俺!
メイドのタミアとコーティー
ハールとチコチーニ
の8人と
騎士ヘルツェンとその部下エンドールの2名
合わせて10名と御者2名 馬車2台
が、屋敷の玄関前に集まっている!
今日、俺たちは、第3王女殿下3歳の誕生祭のため、王都へ向けて出立する!
今はその最終確認をしている最中だ!
ーーーーーーーー
「はぁ〜〜、眠い」
「ははは、ちょっとノア、大丈夫かい?これから1週間馬車生活だよ?」
やめてよ兄さん! 人がせっかく現実の忘れようとしてるのにそんなこと思い出させるなんて!
「それは地獄だね、それより兄さんこそ大丈夫なの? 冬支度も楽じゃなさそうだけど」
「俺は平気だよ! テスもいてくれるから何かあったら任せれる」
冬支度はまだ先だが、俺たちは移動時間も含めて3週間は帰ってこない。
その間は、ダリル兄さんを中心に、シア姉さんとコウ、テスが、領の問題を解決しなければいけないのだ
兄さんも大変そう!
「楽しんで行っといでよ!」
「うん、お土産楽しみにしててよ! お小遣いも入ったしね!」
そう、ベイリー被服店で売り出してる浴衣と甚平、あれが今、領内でもかなり噂になっており、他領用への高級生地ばかり使った物も、全部売れたらしい
将来ウハウハの片鱗が見えたとゆうものだ!
俺の空間間コンテナには金貨7枚が入っている
日本円にしたら70万だ! 俺5歳だよ?
「楽しみにしてるよ! 出来れば本を買ってきてくれると嬉しいかな!」
「りょうかーい!」
兄さんと別れの挨拶をしていると、シア姉さんとコウも来た
「ノアくん、気をつけてね!」
「うん、まあ英雄が乗った馬車がどうにかなっちゃうとは思はないけどね!」
「ふふふっ、それもそうね! 」
そういえば、鬼神族のお土産は何がいいんだ?
「コウはお土産何がいい?」
俺がコウに聞くと、コウが答える間もなくシア姉さんが横から入ってきた!
「ちょっとノア、お土産は気持ちよ! 聞くもんじゃないでしょ!」
あ、めんどくさいやつだこれ・・・
「それもそうだね、じゃあ向こうで考えて選ぶよ!」
ここで反論すると面倒くさそうなので、スルーしておくことにした!
「そうしなさい! それと、ちゃんと帰ってきなさいよ! 王都で迷子になるんじゃないか、心配だわ!」
「ちょっと失礼しちゃうよ、姉さんじゃないんだからそんなアホなことにはならないよ! イッテェーッ!!」
なんだよ、軽いジョークじゃないか!
本当シア姉さんは冗談が通じないんだからまったく。
「ちょっと何よその顔!」
「え?別に普通だけど?」
姉さんがそう尋ねてきたので、俺はすっとぼけてやった!
本当に凶暴な姉だこと。
「く、本当にノアの減らず口は治らないわね!」
なんて言ってるよ
姉さんの殴り癖のほうが、治ってないとゆうのにね!
そんな事を思っていると、つい顔に出たのか
シア姉さんに殴りかかられる
ーーーーーー
「それではおお兄様、お姉さま、コウ様、行ってまいります!」
「はい、行ってらっしゃい!」
「行ってらっしゃい! 楽しんできなさいよ! それと少しは減らず口も減らすようにね」
「はいっ!お姉様!」
「こっちは僕に任せて楽しんで来ておいで〜!」
「ありがとうございますお兄様!」
こうして俺は、頭に大きなコブはできたものの、無事3人との出発の挨拶を終え、馬車に乗車する!
いや、無事では無いのか?
ーーーー
「ヘルツェン、エンドール、今回はよろしくね!」
「いえいえノアール様、こちらこそ馬鹿な娘の事をお願いします!」
2台ある内の俺が乗らない方を覗くと、ハリーとチコ、チコの親父のヘルツェンとその部下、エンドールが乗っていたので、一応挨拶をしておいた。
「それにしてもよ、王都、楽しみだな!」
「うん! 絶対にいい思い出になるわよ! それに私たちの、初めての本格的な旅だしね!」
その『俺たち』には、もちろん俺も含まれてるんだよね・・・
ふでもまあ、こう見るとこいつらもまだまだガキんちょだな!
初めての旅とゆうことだけあり、ハリーとチコはめちゃめちゃテンションが上がっている!
「2人ともはしゃぎすぎて腹でも出して、病気になんかかかるなよ!」
「「そんなことするわけねーだろ!」ないでしょ!」
この2人は今日も息ぴったりみたいだ!
俺が2人を茶化していると、後ろから父さんに呼ばれた
「ノア、そろそろ出るから馬車に乗っておきなさい!」
「ほーい! じゃ、2人ともまた休憩の時にな!」
「「おう」」
ーーーー
今回は馬車2台で王都まで行く
1台目はセンバード家の俺たち4人とコーティーが、2台目はハリー達4人とメイドのタミアが乗っていく!
まあ、途中の休憩とかでごっちゃになると思うけどね
父さんに促され、最後の一人であった俺が馬車る
それを確認し、父さんは玄関に見送りに集まる皆に向かって出立の言葉をかけた
「では、私達はこれより、第3王女の生誕祭に向け、王都へ出立する! ダリル、センバート領のことは任せたよ!」
「はい!」
「シア、ダリルの助けになれるよう頑張りなさい!」
「はい!」
「コウもウチの領のために働かせて済まないね」
「いいえ、止めていただいているので、これくらいは当然です!」
父さんはコウの一言に1度だけ頷き、もう一度皆の方へ向き直した
「では!行ってくる!」
そう言って俺たちの乗る馬車に乗り込むと
「出立!」
とだけ言い、ピシッーーン!! とムチを打つ音と共に、馬車がゆっくりと動き出した!
いよいよ王都へ出発だな!
ハリーやチコじゃないが、俺もワクワクしてきた!!
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