第33話 口は災いの元って、本当だよ?

妖精→精霊

に訂正します!



△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲




「これが精霊?可愛いー!!」


「あら、シア!ずるいじゃない! 私にも触らせて!」


「あらあら、こーゆう時は私からでしょ?」



ダリル兄さんが無事精霊と契約出来たので、俺たちは丘の上へ戻った


偶然にも、さっきまで遊んでいたシア姉さん達も戻ってきており、精霊『ホロ』(ダリル兄さん命名)の話をすると、女性陣が我先にとホロの取り合いをしだした


そんな女性陣を、父さん、兄さん、俺の3人は、呆れた顔で眺めることしか出来なかった。



「あれ?コウ達は触りに行かないの?」


女性陣がホロに夢中で争っている中、コウとチヨはホロに触ろうとするのは愚か、興味を持つことさえしていないように見えたので、気になって聞いてみた


「ええ、鬼神族にとって精霊は、崇め敬うものであり、慣れ親しむものでは無いのよ!」


へ〜、宗教観の違いかな? 俺は宗教とか知らないから分からないけど!


すると、俺たちの話を聞いてた父さんも、話に入ってきた


「そうなのかい? 」


「ええ、私たちの角には、魔力を集めて貯めておく性質があるんですけど、精霊や精霊の子供が紛れ込んで、本人と一体化する事があるのです。」


そんな力初耳なんですけど!


「へ〜、なるほどね、いったい・・・ えっ?! 一体化って言った?!」


一体化?なにそれ、怖いんだけど!!


「ええそうよ!ノアくん」


コウは当然のようにそう答えたが、こっちは理解が追いつかない!


「一体化するとどうなるんだい?」


父さんも気になったらしく、珍しく食い気味に聞いた


「そうですね、外見的には特に変わりは無いのですが、雰囲気、オーラ、ですか? それが、物凄く神聖なものになるんです。 デイリス様もノアくんも、1度感じてると思いますが」


と言われ思い返してみる


まぁ、本当は思い返さなくても分かるくらいなんだけどね!


その人は十中八九、鬼の里の長にしてコウの父親、ルイの事を言っているのだろうと思う。


あの人は、他の鬼神族の人達とは違う、異質なオーラを放ってたからな!


「ルイ殿、ですか」


「はい、父上も精霊と一体化した鬼の1人です」



コウのその言葉を聞いてた思う


俺たちは、最初、コウを連れ去る様な形でファーストコンタクトを取ってしまったので、あの場で殺し合いという事も全然有り得た話だ。


もしそうなれば、いくら父さんがいたとしても、五体満足、無事で居られたとは思えない。


なんせ相手は精霊と一体化した鬼なんだから


父さんと本気で戦っても、どうなるのか検討もつかない


ま、父さんの本気すら見たこと無いけどね!



俺は、コウのお父さんが良い人で本当に良かったと、心の底から思った!



ーーーーーー



時間もだいぶたち、俺たちは帰りの片付けをしている


すると、さっきの話で鬼の里の話題が出たからか、父さんが話し出す!


「そういえば、コウとチヨがうちに来てから、もうじき1ヶ月経つね」


「あら本当、私は向こうの親御さんに挨拶すらした事ないのだけれど良いのかしら」


母さんは少し申し訳なさそうに言う


「ノア、明日は暇かい?」


お?俺に聞くということは…


「うん、暇だけど、鬼の里に行くの?」


「ああ、私たちは来週王都へ経つだろう? そしたら3週間は戻って来れないからね、近いうちに1度、しっかりと話し合っておきたい!」


まあ、それもそうか


娘を送り出したはいいが、何の連絡もなく2ヶ月も経ったら、さすがに心配するか!



俺たちが1ヶ月も鬼の里へ行かなかったのには理由がある


鬼の里は最近人による侵略攻撃を受け、被害者も出てしまったため、警戒心と敵対心が高まっているのだ


俺たちは鬼神族と友好を築きたいだけで、相手の傷を逆撫でするのは意味が無いという事になり、控えていた


これは父さんとルイとの話し合いでもした話らしい



「それと、ダリルの精霊についても、詳しく聞けるかもしれないからね」


と、父さんは続けて言った


まあ、さっきの話を聞いたら、鬼神族に精霊のことを聞きたくなるのも当然か


と、父さんが言い終えると、母さんとシア姉さんが尋ねる!


「それは、私もいって良いのかしら?」


「私も行きたい!」


との事だ!


この2人のは発言に、父さんは顎に手を当てて悩んだが、答えは出なかったらしい、


「どうだろう、コウ!君はどう思う?」


郷に入っては郷に従えとゆうことわざもあるように


その土地にはその土地の文化や考え方がある、なので父さんは、鬼の里長の娘であるコウに、決定を委ねた!


人数が多ければ、それだけ相手の敵対心を煽ることに繋がる


どの程度までは良くて、どこからがアウトなのか、それは俺達には分からないことだからな!


空間魔法の適性があり、唯一こっちと向こうの橋渡しになる俺は確定。


そしてこちらの代表の父さんも確定している


あとの人選をどうするか、コウは少し悩んだが


いつも以上に真剣な面持ちで答えた


「1度全員でいらしてください! 皆さんの安全は私が約束します!」


と、肝の据わった目をしながら言った!



こちらとあちら、お互いの状況をある程度理解した上で、覚悟を決めて言った7歳の少女のその一言を、俺たちが信じない訳には行かない!


「「「「「「よろしく頼むね!」」」」」」



俺たちはそれだけ言い、帰り支度の作業に戻った!



ーーーーーーーー


屋敷に到着し、俺は兄さんを連れて真っ先に庭に来ていた!


「さあ兄さん!早く精霊魔法を見せてよ!!」


「ちょっとノア、そんなに焦らなくたって良いじゃないか!」


「何言ってるのさ! 父さんから話を聞いた時からずっと気になってたんだ! なのにうちの女子共ときたら、やれ可愛いだの触りたいだのって、まったく!」


俺は、精霊の説明をとうさやから聞いた時から、ずっと精霊魔法のことが気になっていた!


だが、戻るなりホロは姉さんや母さんに取られ、結局魔法は見れず、俺はフラストレーションが溜まっているのだ!


「ちょっとノア、そろそろやめなよ!」



そんな感情的になって悪態を着く俺に、兄さんは話しかけるが、俺の耳には届かない!


「だいたいなんだよ、精霊は愛玩動物じゃないでしょ! 特殊な魔法を使う種族の亜人でしょ! 可愛がる前に魔法を見ないとダメだろ!」


[そんな訳がない!]


「それをピーピーピーピーとはしゃいじゃってさ! シア姉さんならいつもうるさくてあんな感じだからあいけど」



ギクッ!

「ちょっとノア!」


ダリルは後ろから冷たく、そして恐ろしい雰囲気を感じ、ノアを止めるも、やはり声は届かない。



「姉さんはあと2年で成人なんだよ? いつもは大人しぶってるくせに、こーゆう時はキャーキャーしちゃってまあ可愛いこと!」



「ちょっとノア!いいかげンッ!」


「黙ってなさい?ダリル」


「はい!」



「挙句に母さんまであのはしゃぎ様! まったく、歳を考えてよ歳を! もうそんな歳じゃないでしょ!」



ノアールは、言いたいことを全部言ってスッキリしたので目を開ける


すると、目の前には兄さんはいなく、鬼神族より鬼のような人影が3つある


「あ、あのー・・・」


「なんでしょう?」


「いや、えーっと、どこから・・・」


ノアは、滝のように流れる冷や汗などお構い無し


この状況をどう乗り切るかのみを考える!


「姉ノア、私ってうるさいかしら?」


シアが聞く。


「いえ、いつも優しくお淑やかな憧れのお姉様です!」


ノアは答える。



「ねぇノア? 大人ぶってるとか何とかって聞こえたのだけど」


エルーナが聞く


「聞き間違えですよお姉様! 大人っぽくて素敵な女性だと言ったのです!」


ノアは答える。


「私って、そんなに歳かしら?」


テスナが聞く


「いいえいいえ、4児の母とは思えないほど、肌は綺麗でスタイルも良くて、おまけに美人で優しい!

世界で一番のお母様です!」


ノアは答える。


「私は歳かしら?ってきいたのだけど?」


テスナがもう一度聞く。


「そ、そうでしたね、 年なんかじゃありませんとも! 33歳にはとても見えません!いってて19ぐらいにしか!」


ノアは答える、が、割り込んでテスナは言う


「私はまだ32なのだけど」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」



「ノア、ちょっとお話しましょうか!」


「それがいいわ母さん!ね?シアもそう思うでしょ?」


「ええ、あっちに行きましょう!」


そう言って、俺は赤さんに手を取られた!!


「いや〜、今から魔法を見」


「いつでも見れるでしょ?」



あれ、おかしいな


空から落ちた時はスローモーションになっただけなのに、なんか知らないけど、走馬灯が見えるんですけど、なにこれ



ノアが3人に連行されるところを、ダリルは見守る事しかできなかった!


「ノア! 無事を祈る!」



その後、ノアールを見たものは居なかったとゆう。

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