第22話 魔道学院とは
「魔道学院?何それ」
「あれ? ノアには言ったことなかったかい? 」
「うん、初耳」
「魔道学院は、王都にある魔法使いの育成機関だよ」
魔法使いの育成、うん、面白そう!行こう!
俺はこの時点で、魔道学院に行くことを決めていた!
「その目的は、未来の軍の魔道士の育成、そして魔法技術の発展のための研究者育成、ノアが前々から興味を持っていた魔道具の製法も、ここで教われるよ!」
だってさ!? 最高すぎない?
魔道具とは家電製品みたいな物
3歳の誕生日にダリル兄さんがくれた魔道具は、バラして調べてもよく分からなかったんだよね・・・元に戻らなくなったし
「絶対に行くよ! いつから入れるの?」
これはもう行くしかないだろ!
俺の回答に、この場にいる全員が笑顔になる、或は「やっぱりね!」という表情をした!
「まあノアに魔法のことを言ったらそうなるよね、魔道学院は7歳から10歳までの初等教育、10〜13までの中等教育があるよ! 」
なるほどな、成人が15のこの世界なら、初等部が日本の中学生みたいな事か、少しややこしい・・
「でも、飛び級や繰り上げもある、優秀な人間は直ぐに学ぶ事学んで卒業するらしいよ?私は騎士だからその辺は詳しくないけどね」
へー!それはいいことを聞いた!
俺は基本的にはここら辺の田舎でまったりしてたいからな、6年間王都で過ごすのは少し嫌だ
でも飛び級や繰り上げがあるなら、好きな物だけさっさと学んで直ぐに卒業できるかもしれない!
「まあ、この国最高峰の魔法学院だから、入りたい者は5万といる、それにほとんどが貴族家の者達だから、しっかりと基礎教育もされてるし、結構入るのもむずかしい場所だよ、ノアなら大丈夫そうだけどね」
「へー、そうなんだ! まあ入学出来るように頑張るよ!」
俺が決意していると、ハリーとチコが、何かヒソヒソと話している
「何話してんの?」
2人のヒソヒソ話なんてろくなものじゃなさそうなので、即座に聞いておいた
後で聞いてもはぐらかされる可能性があるからな!
「いや? 俺達もそこに行こうと思ってな!」
は?・・・・・・・なぜそうなった?
ハリーとチコの家はウチの騎士団幹部
そのため小さい頃から訓練は受けていたし、最近は剣の腕もかなり上がってきた
その2人が魔法学院?何がどうなったらそうなるんだ?
「2人が魔道学院に? なんで?」
「おう!ノアが即答で行くってことは面白そうだし、王都にも行ってみたい!」
「それに、将来の冒険の仲間を見つけれるかもしれないからね!」
そういう事…
確かに王都って言うだけで楽しそうだし、仲間も探せるかもしれないけど、別に魔法学院じゃなくてもいいんじゃないか?
「魔法使いが行く学院があるなら、騎士が行く所もあるんじゃないの?」
俺の問いに答えたのは父さんだった
「ノアの言う通り、王都には騎士育成のための寄宿学院があるよ」
「2人はそっちの方がいいんじゃないの?」
魔道学院に行っている間は、剣の稽古をつけてくれる人が居ないから今までの研鑽が水の泡だ!
仲間集めならそっちでもいいと思うんだけど
「いや、魔道学院に行くよ! 冒険者するにおいて、剣の稽古は今じゃなくても出来る、でも魔法は専門機関にいった方が知識も増えるし冒険の役に立ちそうだ!」
「そうそう、それに今ちょこっとやっただけだけど、魔法も面白いしね!」
そうですか。
この2人は本当に昔から一貫して冒険者を見据えている!
冒険の何がそこまで2人を駆り立てるのかはよく分からんが、それに対しての思考の深さは正直感心するよ
「そ、2人がいいなら好きにすればいいよ、難関校に入れるかは疑問だけどね!」
俺から放たれた言葉の刃に、2人はギクッ!とした
まああと2年あるから、それまでに魔法を練習するしか無いだろうな!
2人を軽く煽っていると、父さんが話をしめる!
「ふふふ、若いってのはいいものだね!ノアやハリー、チコだけじゃなく、皆も今は好きなことを沢山して色んなことを経験しなさいね!」
「「「「「「はーーい!」」」」」」
父さんは本物の実力者、そんな父さんからの言葉には、やっぱり普通とは少し異質な凄みを感じる
でも、それが心の底からの言葉だと分かるので、なんだか安心するんだよな、本当に凄い両親だよ!
ーーーーーーーー
朝食を終えると、また魔法の練習に戻る!
今度はテスナ母さんが少し離れた場所にある椅子で見学していた
まあ、それはさておき、さっきの続きで適性を見るための初級魔法をやっていく
これには詠唱と共に、イメージが重要なので、俺が7属性の魔法を発動してお手本にしてもらう
今まで魔法を見た事ない人は、イメージしろと言われても、漠然としか出来ないから、イメージ補完のためのお手本だ!
ただ、イメージのお手本があれど、発動できるまで時間がかかるので、いまはそっとしておく!
俺はなんとなく、空感魔法について考えてみる
ーーーーーーーー
「それにしても、ノアは本当に魔法の使い方が上手ね、全属性適性だけでも凄いのに、全部使いこなしちゃってるし!」
「本当だよな!」
母さんが隣に控えるメイドに話しかけていると、突然後ろから男が話に入ってきた
「あらザダルマン、デイリスとの話はもういいの?」
話しかけてきたのはザダルマン、ハールの父親であり、センバート家の騎士団副団長兼大隊長だ!
「ああ、軽く打ち合わせしただけだからな! それよりも、さっきデイリスに聞いたぞ、ノアは魔道学院に行くらしいな」
「ええ、まああの子は魔法が大好きだし頭もいいから大丈夫だと思うわよ!」
テスナ母さんの言葉に、ザダルマンは首を傾げた
「そうか? 俺は少し心配だぞ! ノアの事だ、魔道学院でも大事を起こしそうだろ!」
ザダルマンのその一言に、テスナ母さんは少し冷や汗をかいた
「それは否定できないわね・・・」
たしかにノアならとんでもない事を仕出かしちゃいそうね。
現に今までも、3歳でオークの討伐をしたり、失われた古代魔法、『空感魔法』の適正があったりと、かなりやらかしているのだ
「じゃあ2人のことも聞いたの?」
「ん?2人?」
「ええ、ハリーとチコも、魔道学院に行くって言ってたわよ?」
え?ハールがか?・・・・
「寄宿学院じゃなくてか?」
「ええ、魔道学院よ! まあ2人にも何か考えがあるみたいだけどね!」
「そうか、あの二人がか、これもノアのおかげだな、アイツらが腐らずに努力できるのも、ノアの魔法の訓練を見てきたからだろう、アイツらもいいともを持ったな!」
「ふふ、それはこっちのセリフよ! 子供の成長には、心を許せる友達が必要なのよ、きっと!」
子供たちは必死に魔法の練習をするが
親は親で、子供達の成長を、優しく見守るのだった。
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