第22話相変わらずな後輩に呆れる

昼前——午前11時過ぎに緑祥寺と金瀬が帰宅した。

「たっだいまぁ〜!」

「ただいま……です」

緑祥寺が頬を紅潮させ、恍惚とした表情でリビングに入ってきて……金瀬は疲労感を漂わせたゾンビみたいに入ってきた。


高級で有名な洋菓子店の紙袋を両手に沢山提げる緑祥寺は、ダイニングテーブルにどさっと紙袋を置いて、俺と妹に手招きする。

俺と妹がダイニングテーブルへと近づくと、金瀬が俺とすれ違いざまに耳打ちしてきた。

「ソファで休ませてもらっても良いですか?」

「ああ。お疲れ様、ゆっくり休んでて」

と小声で返答した俺。

金瀬がソファへと倒れ、眠りにつくのは3分も掛からなかった。

「——でねでねっ、これがっ」

紙袋からスイーツを出しながら、ダイニングテーブルに並べる緑祥寺の頭に手刀を落とす俺。

「ちっとは金瀬さんのことを考えろって!良い大人なんだからよぉ、お前はっ!」

「ったぁ〜っ!あっ……うだね、後で謝る。だから……もう睨むの、やめてぇ先輩ぃ……ほんとに」

大袈裟な悲鳴を上げ、ソファで横たわる金瀬が視界に入ったらしく素直に反省した声音で返す緑祥寺。涙を浮かべ、睨むのを止めるように懇願してきた。


ったく、緑祥寺こいつは……


手の掛からないのは、金瀬くらいじゃねぇか……

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