第21話仕返しにしかめっ面

帰宅した俺らは、ダイニングテーブルを挟み向かい合うダイニングチェアに腰を下ろした。

夏美に座るように促し、渋々といったように彼女が座るのを確認した俺も同様に座る。

「……何?」

警戒しながらも訊いてきた夏美。


「辛辣なこと、言ったらしいな。自分を棚に上げて」

「うっ……反省、してる。後悔も……」

小さく呻いて、項垂れる夏美。

「解ってる、そのくらい……彼女の、古清水さんの言葉はたてまえじゃあねぇ。真実ほんねだったよ、紛れもなくな。だからぁっ、そんな気に病むな!反省も後悔もあるんだったら、この先の人生で挽回すれば良いんだよ!やり直せるし、築き上げられない関係性じゃねぇんだ!お前なら、夏美ならやれる……演じ続けた夏美ならな」

「が、頑張ってみる……いー兄。あっ、ありが、とう……」


洟を啜り、恥ずかしがりながら感謝を告げた妹に、腰を浮かせた俺は彼女の頭をワシャワシャと撫でた。


「もうぅ、いー兄ってば……」

からかわれてばかりの仕返しだ、妹よ。

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