第15話そのブレザーって
「そうですか?ウチが住んでる近所には優しい人らばかりですよ。こんな冷酷って感じしないって言うか......」
「へぇー。都会なんて住んじまうと薄情な連中の集まりだって気付くんじゃねぇか......そのブレザーって──」
「おじさん、知ってんの?うぅ~んっと......もしかして、なっつんが転がり込んでるとこの人とか......?」
「誰だ、なっつんってのは?」
「ウチの
「あ、ああぁぁ~......君か」
額に手を当て、ため息を漏らした俺にぐぐっと顔を近付け、詳しく聞かせてよ、と食いぎみで迫ってきた高校のブレザーを羽織ったギャルな女子高生。
「ち、近いって顔......」
「あっ、ごめんなさい......あのカフェ、ではどうです?」
「ここで突っ立ってても迷惑だろうし、まあいいか」
オシャレなカフェに立ち寄り、ひと息つくことにした。
ひと息つけるかは、置いといて。
「なっつんとはどういった関係ですかっっ!?」
「どういったもなにも......泊まらせろって言われ、居座られ続けてるっつう感じ」
「あの娘が見ず知らずの相手に泊まらせろなんて言うはずないんですっ!幼い頃に慕ってたりしたとか、ですか?」
「ああっと、アイツの兄なんだよ......俺」
「えっ?おニーサン......ごっごごめんなさいっ!」
何度も頭を下げて、ポニーテールにした金髪がぶんぶんと揺れた。
それにしても、高校のブレザーを羽織った女子高生と居ると周囲からの視線が突き刺さるんだよなぁ......
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