第14話呆れるよ、都会は

「ふぅ~気持ちいいぃ~!久しぶりだなぁ......一人なのはぁ」

俺は足湯に浸かり、眼前に広がる景色を眺めていた。

都会ではなかなか拝められない大自然に疲労感が癒えてきたのを感じられた。

心地好い風が頬を撫でた。

夏美や緑祥寺の相手には手を焼かされ、疲労感が堪っていた。

午前8時には顔を見せ、金瀬を無理矢理連れて何処かに出ていった緑祥寺だった。

夏美はリビングのソファに寝そべり、テレビを観続けるとのことだった。


足湯を出て、降りた駅に戻り、電車を乗り継ぎ最寄り駅で降りた。

駅前で若い男性──大学生らしき二人が女性と言い争っていた。

ナンパとみえた。

「放しっ──どこ触ってんのっ!痛っ......」

「良いじゃん、付き合ってくれるくらい──」

「だよなぁ~」

片方の男子がナンパ相手の手首を掴み、強引に連れていこうとしていた。

はぁー若いのはみさかいねぇなぁ......全く。

彼らに近付き、声を掛けた。

「嫌がってんだろ、彼女。放してやれって」

「なんだよ、おっさん。てめえに関係ねぇだろ、消えろや!」

「警察につきだすなんて容易いんだよ、ガキなんて」

「っく......やめだやめっ!ずらかるぞ」

「だな......クソっ!」

掴んでた女子の手首を荒く放し、離れていく彼ら。

彼らの姿が見えなくなると、ナンパされてた女子が頭を下げて感謝を述べてきた。

「──それにしても都会の人って冷たいのは本当なんですね......」

「田舎も一緒だろ......」

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