第6話面倒な後輩の性格にため息が漏れる
「かぁ~いとセェンパァイっ!言われた資料ですけど、先輩に渡せば良かったんでしたっけ?」
俺は、廊下を歩いていると後方から駆け寄る足音とともにそんな弾んだ声が聞こえ、立ち止まり振り返る。
追い付いた女子の後輩が息を切らさず、笑みを浮かべて返事を待っていた。
「ああ、
差し出されたファイルを受けとる俺に甘い囁き声で誘ってきた彼女。
「食堂に行くならお供しますよ、せんぱぁい~」
「はあぁ~皆から何て噂されてるか知らないのか?おまえ」
「知ってますけど、そんなことを気にしてちゃ気になる人に言い寄れないじゃないですかぁー、先輩ってバカなんですかっ?」
首を傾げた後、そんなイラつく口調で顔を近付けてきた。
「いつか刺されるぞ、そんな性格してっと。余計な面倒事は御免だから、良いよ」
「ひどいじゃぁ~ないですか、せんぱぁいっ。でも良かったですっ、一緒に食事できるなんてっ♡」
有名な漫画のキャラの喋りを真似た直後に甘い声に戻し、腕を絡ませ密着してきた彼女。
つっ、疲れるぅぅ~っつぅのっ!面倒な後輩だな、本当に。
食堂へと歩み出した俺と緑祥寺だった。
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