第7話良く気付く後輩だったらしい......
「さっきからしみったれた顔してため息ばっか吐いてますけど、原因って私ってわけじゃないでしょ?困ってることがあるなら聞きますよ、私」
「ああ......いや、何でもないよ。緑祥寺が関わっていないから......別に言うつもりもないし......」
そう言って瞼に手を伸ばそうとした瞬間に緑祥寺がスパッと切り込み否定してきた。
「嘘、ついてる。バレますよ、そんな見え透いた嘘は」
「えっ?いやぁぁ、嘘なんて......つい──」
「だぁかぁらぁっ!下手なんですよ、嘘をつくのがぁっ。バカ正直すぎですって、いつもならため息なんて後輩の前で吐くことなんてあまりないし、瞼に手を触れようとするのは決まって嘘を吐いているときにしてる癖って分かってるんですよ!さぁっ、包み隠さず後輩である私に打ち明けてくださいよっ!」
呆れた表情に変わった彼女は、俺でさえ気付かなかった癖を言い当て、打ち明けるように促してきた。
「うっ......そんな、ことまでっ。でも信よ──」
「あああっっっ、もぉぉうぅ~っ!言いふらしたりなんかしませんってばぁっ、信じてくださいよぉぉ~」
発狂したように勢いよく立ち上がると同時に叫び声をあげ、テーブルを激しく揺らして訴えてきた。
「わっ、分かったってぇ~分かったからっ!言うって、言えば良いんだろっ!」
食堂で昼食を摂る同僚らなどから視線が刺さって、打ち明けることにした。妹が押し掛けて疲労が溜まって
金瀬が自宅にいることまでは話さなかった。
俺が話している間、彼女はうんうんと相槌をうって、耳を傾けていた。
一通り聞き終えた彼女の第一声は、「何で妹がいることを言わなかったんですかぁっ!」という驚きの言葉だった。
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