第4話短時間で仲良くなる女子高生はすごい

シャワーで汗を洗い流し、浴室を出て、リビングの扉を開けて、リビングに足を踏み入れた。

「へぇー、そういうんだったらいー兄は了承するよ。言おっか、私から?」

「良いですよ。今日だけと言ったのは私なんだし、それに......これ以上は迷惑かけるわけには」

部屋着の女子高生二人がソファでそんな会話をしていた。

「どうした、夏美?何を了承するって」

「あっ、いー兄。金瀬ちゃんがさ──」

夏美が、金瀬がどういった経緯でコンビニの前に居たかを話し出した。

「そうなのか......それなら、友達に泊めてもらった方が、金瀬さんは安心じゃないのか?」

「......」

金瀬は、俯いたまま黙り込む。

「だけどさっ、いー兄っ──」

「そうですよね。でも......泊めてくれるような友達が居ないんです。そもそも友達が少ないんです、私」

「それは困ったな、夏美っていつまで居すわる気なんだ?」

頬を掻いて、夏美に訊ねた。

「えっ?ずっと居たいなぁ~なんて言ったらだめかな、いー兄?」

「それは鬱陶しい。夏美がいる間は居てもいいよ、金瀬さん。夏美が居れば安心だろうし」

「ありがとう、いー兄。金瀬ちゃん、良かったね。鬱陶しいはひどいけど」

「お兄さん......ありがとうございます」

二人から感謝される。

一度、連絡するか。夏美のこともあるし。

夏美は、テレビに視線を戻したが、金瀬は俺に視線を向けたまま、何か言いたそうな瞳で見つめる。


11時前になり、俺はテレビの前のソファで就寝する。

夏美と金瀬は、寝室のベッドに。

敷き布団は、あるにはあるがフローリングは身体を痛めるのでソファにした。

カーテンの間から淡い月明かりが差していた。




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