第3話年頃の女子二人がいるとあの問題にぶつかる
「金瀬さん、もう食べたかな?」
「はい、コンビニで買って済ませました」
「なら、いいか。風呂に入れるようにしてくるから、ゆっくりしてて。金瀬さん」
「はい......」
金瀬は落ち着かないようで、椅子に腰掛けている。
夏美は、ソファに寝転びテレビを観ている。
俺は、浴室に移動して、浴槽に湯を張るため、ボタンを押してからリビングに戻る。
俺は、金瀬と向かい合って座り、唐揚げ弁当のフタを外して、食べ始めた。
「いー兄ぃっ、私にわけてよっ」
いつの間にか、夏美が隣にきて、肩を揺する。
「キッチンの方にレンジで温めるのが買ってあるから、それを食べて」
「いー兄のを食べたいんだってぇ」
「疲れてるんだよ。言うこときいて、夏美」
「前は言ったら、すぐにわけてくれたのに。冷たいよ、いー兄。もうっ、おかずなしで食べろって言うの」
ぶつぶつ文句を言いながら、キッチンまで歩いていく。レンジで買い置きしていた白米のパックを温める彼女。
「冷蔵庫にかまぼこが無いか?」
「えぇ、かまぼこか~あったよ。味気ないな、今日は」
「偉そうに言うなよ、もう」
「彼女はいないの、いー兄?てっきりいるのかと思ったけど」
「いないって。付き合ってたら、追い返してたよ」
キッチンから出てきて、隣に座る彼女。
「いー兄を冷たい人間にしたのはどこのどいつだぁっ!私は許さないっ!」
胸の前で拳を震わせ、そんなことを言い出す。
「叫ぶなよ。近所迷惑だから」
♪♪♪~と湯が沸いたことをしらせる音が聞こえた。
「金瀬さん、先に風呂に入ってきて」
「は、はい。あの、着替えがないんですけど......」
椅子から立ちあがり、戸惑う彼女。
部屋着問題を忘れていた。
どうしよう、そういえば新品のスウェットがあるな。
「それなら、新品のスウェットがあるからそれでいいかな?」
「ありがとうございます」
「サイズが大きいかもしれないけど......」
俺は、立ちあがりリビングを出て、寝室にスウェットを取りに行く。
俺は、彼女にスウェットを渡して夏美に買い物を頼むことにした。
金瀬は、浴室に行って、夏美は外に出ていく。
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