第41話 全員集合!皆でランチ

 僕が過去に見つけた星達を、全て高校2年生になって今再び出会う事ができた。学校のある平日。見つけた星のメンバーを誘い、皆でお食事しようと誘った。最後の1人を見つけたと聞き、会いたいという意志が全員にあった為、日曜日の昼に待ち合わせ場所に集合する事になった。


 そして当日である今日。幼稚園の頃のメンバーが今揃う。


 先に待ち合わせ場所である像の前に来たのは、服黒ふくぐろさんだった。


「ゆっ君、おはよう。早いな」

「いや、言い出しっぺだし。遅れたら駄目でしょ? そっちこそ早いね」

「バイトしてるからかな。時間に余裕もっていくのが癖で」


 まだ全員来てないことを伝えていると、次はあかね輝色きいろちゃんが2人で一緒に来た。


 最後は紫微垣しびえんさんと好味このみがやってきた。しかし、なんでか紫微垣しびえんさんの腕に好味このみが噛み付いているという状況のままでだけど。


「助けて〜! ゆっ君!」

「一応聞くけど、何があったの?」

「この子寝ぼけてて、私の腕噛んだまま離さないの!」


 どうやらこの時間帯まで、好味このみは寝ているようだ。


 寝顔がとても可愛いので見惚れていると、「あの〜、見てないで取ってもらえませんか?」と紫微垣しびえんさんに言われ、仕方なく取ってあげた。


 集合したところで、レストランに移動し店内へと入る。テーブル席に案内され、先にメニューを注文する事に。


 1人だけ沢山食べるからか、5人でも食べきれない量がテーブルに分割で運ばれてくる。それを見た彼女たちは、僕以外は当然なのか引いていた。


 反応を気にしているのか、好味このみは食べながらも少し落ち込んだ様子を見せる。友達にあんな顔をされたら食べにくいのも無理はない。


「改めて紹介するよ。この子が橙好味だいだいこのみ。テレビにもたまに見かける女子高生フードファイターだよ。食べることが大好きで、よく食べるんだ。皆はどう、覚えてる?」


 僕が幼少期に皆と出会っている5人のうちの1人だと彼女を代わりに紹介すると、食べながら皆思い出そうとする。好味このみは全員のことを覚えているが、どうやら他の4人はあまり覚えていないようだ。逆に皆は何で僕だけ覚えているのか不思議でならない。


「あ~、なんか美味しそうにご飯食べてた子いたような」


 最初に思い出してくれたのは輝色きいろちゃんだった。


「でもごめん、なんか思い出したの食べてるとこだけなんだよね」


 どうやら好味このみは過去も今も変わらないらしい。


 その後も、食べながら改めて皆自己紹介していった。紹介が終わると、なぜか皆が好味このみの方に視線がいく。食べる姿が可愛いからかな? とかのんきなことを考えているのは僕だけらしい。


「べ、別に気になってなんかないんだけど。だいだいさんもゆっ君のこと好きなの?」

「うん。好き」

「やっぱそうよね。この流れだと……」

だもん。好きに決まってるよ~」


 質問したのはあかねだったが、どこか話がずれていることに気づく。


「え? あたしが聞いているのはそうじゃなくて! 恋愛対象かどうかよ!」

「うちが? 誰の?」

「あんたがゆっ君の!」

「なんかそういう話するの照れり~」

「いやそれはいいから! どうなのよ!」


 大声を出しながら質問するあかねを皆で落ち着かせ、話を戻す。


「うちは、ご飯が恋人。だから大丈夫」


 この言葉で他の4人はさっきの食べっぷりを見た後だからか、大丈夫という言葉を信じライバルが減って安心する。


 一方僕は、好味このみの幸せそうな食べっぷりがハムスターのように見えて、つい無意識に本人の頭を撫でてしまう。


「う~。恥ずかしい。照れり~」

「ご、ごめん!」


 僕は顔を真っ赤にしながら謝る。その行動を近くで見ていた4人は、好味このみが一番のライバルであることを全員が認識した。


 その後は幼稚園の頃の話や恋バナが弾み、自分が話せない会話もあった。しかし、皆を誘って良かったと思うのであった。





 























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