第37話 スクープ写真
僕はメイド喫茶での騒動の後、
しかし、学校では新しい誤解が学校の掲示板にスクープとして載っていた。
「これって……」
僕だけではなく僕達のクラスを中心に、そのスクープを見に来ていた。
内容は僕達の事だった。『夜色優心は美少女達を侍らしている』とか『4又疑惑! まだ増やすつもりか!』。また『文化祭ではまさかの主人公気取り? 遠回しのモテてるアピール!? 羨ましいんだよクソが!』など誤解や大袈裟にしているものが多い。若干私情が入っているような気もする。
因みに彼女達に関しての記事もあった。
『サッカー部の
彼女達の記事はいいものもれば、これを作っている新聞部のやはり私情も混ざっている気がする。何を考えているんだか。
最後まで見ていくと、僕が最後に目にした記事で見過ごせない記事もあった。
『
この記事を見て、あの執事メイド喫茶の時の事だと気づく。
今までにない怒り。僕の事はどうでもいい。何を言われてもそれは、自分の行動が招いた結果だから。でも彼女の行動は、友達を思っての行動をしただけだ。暴力は確かにいけないことだけど、やり過ぎるのはいけないことだけど、真実が違うのが何より許せない事だった。
「ねぇ、同じクラスだよねこの人。まさか、こんな事するはず」
「俺たちは、あまり話したことないからな〜。実話なのか?」
「違うクラスの
他の人も僕達の話で持ち切りだった。
知り合いを悪く言われていい気分はしない。僕は自分が今どんな顔しているのか分からなかった。
昼休みになると彼女たちもあの記事を見たのか、怒りが爆発していた。彼女達は、自分のというより僕に対する被害に対してだった。
好きな人であれば尚更、悪く言われていれば怒るのは当然の事だろう。まぁそれだけでなく、色んな噂によりこちらに向く目が気に入らないとかもあったようだけど。
僕は放課後、皆には黙って新聞部の部室へと向かった。
新聞部の部室に到着した僕は、ドアを開ける。
そこには、
「よっ、ごめんな。どうしても我慢できなかった」
「いえ、僕も我慢できずここに。でも、まだ暴力は!」
「うん? 待て待てやってないぞ」
てっきりもう手が出てしまったのかと思ったが、どうやら早とちりのようだった。
「じゃあ、なんでもう瀕死の状態?」
「どうやら、先に来た奴がいたようだ」
「先に来た?」
「多分、お前のよく知ってる奴らだと思うよ」
多分ここに来たのは、
なんでか気絶している新聞部の皆を叩き起こし、何があったかを聞いた。
どうやらなぜあんな事をしたのかをここにいる部員に対し聞いた後で、胸ぐらを掴んで思いっきり揺らしながら「ゆっ君達は悪くありません! 全部誤解です!」、「
十分反省していた新聞部にもう何も言うことはなく、スッキリと解決した。後で部員に正しい情報を開示する形で話は終わった。
「
「いや、私のはだいたい合ってたよ」
「文化祭の時、迷惑客のお兄さんを校舎裏誘い出してムカついたから胸ぐら掴んで手を出さないよう脅しちゃったからな。先生に昼休みの時、その事で呼び出された」
「どうだったんですか? 謹慎、いや退学なんてこと……」
「生徒を守ってくれてありがとう。胸ぐらを掴んだだけで相手には何もしていない。よってお咎めなし。って言われた」
僕は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます