第29話 文化祭の出し物
今は学校の1、2限目。この時間は先生により設けられた文化祭で出す出し物について話し合う。ここにはいない違うクラスの
クラス委員長が案を出すよう指示する。男子はコスプレ喫茶や模擬店、映像。女子は、執事メイド喫茶、男装女装喫茶、バルーンアート、タピオカ店などを提案していた。
ここで分かれるのは、運が良ければすぐにできて尚且、文化祭を周る時間が多くなるもの。今回だと、バルーンアートがそれに当たるだろう。
もう一つは、クラスのみんなとの思い出を大事にする者。大変でもこれをやればいい思い出となる。そういった出し物を選択する者。これは、模擬店や喫茶がそれに当たる。
どちらにしようか。僕は正直どっちでもいいような気がする。それで皆が楽しめるなら。でも、皆多分だけど、喫茶店をやりたいんだろうな〜と思う。
他の2人、
結果はどうなったのか。それが驚きの展開に。
「なん、だと……」
僕は目を疑った。それもそのはず、なぜなら、執事メイド喫茶とバルーンアートが同列の引き分けに収まったのだから。
だがそのすぐ後、違うクラスの人がいきなり来てどうやらクラス委員に用があるようだった。
そして告げられたのは、他のクラスが執事メイド喫茶をやることに決定したらしい。よって、他のにしてくれと頼んできたらしく、結局バルーンアートになった。
どうやら運よく彼女たちに味方したようだった。しかし、そう言うわけでもなく他の2人も残念そうな顔をしているところを見て、純粋に楽しく喫茶店をやりたかったのかと自分の推測を恥じた。
☆☆☆
授業が終わり昼休み。あからさまに残念そうな
「ま、まぁ仕方ないよ。バルーンアート頑張って早く完成させてさ、文化祭楽しく周ろうよ!」
彼女たちは僕の言葉を聞き、本来の目的である文化祭デートを思い出す。
「そ、そうだね! いろんなとこ周ろうね!」
「私ダンスパフォーマンスやバンド見てみたい! 格好いいんだろうな〜」
僕も楽しみにしているが、皆にも配られている文化祭の予定を書いている紙を見ると親子さん達も参加可。ここまでは驚くことはない。毎年同じで、生徒の親御さんや兄弟なども参加でき楽しめるよう配慮されているのだ。1度は僕が高校1年のとき母さんが来たことがある。
僕が言いたいのは、
「そういえば、
「ああ。正直に言うと、テンション高いから親来てほしくない。恥ずかしい」
「
「あたしは弟。私と違って、大人しいけどね」
「僕は一人っ子だから羨ましいな」
僕が羨ましがるといろいろ話してくれた。他の人の兄弟だとこうはいかないってこと。あと、大人しすぎて一緒にいても話し相手にならないからつまらないとか。
「
「妹がいる。好きな子もいて付き合ってるかどうかは教えてくれないの」
兄弟や姉妹ではいろいろと違う事もあることが分かり、面白いと思った。僕ならどんな兄、弟、妹が欲しかったのか。こういった想像をするのが今日はとても楽しかった。
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