第28話 変わる日常
いつもの学校のある平日の朝。
いつものように薬を飲み、朝ご飯を食べて学校へ向かう。
前のように
登校する途中、当の本人が僕の知らない同じ
どうやら、少しずつ彼女に対するイメージも変わりつつあるようだ。
僕が
仲良さげな行動を見せながら、
「友達と登校しなくていいの?」
「ううん。私の恋を応援してくれていて、頑張りなさいよって言われちゃった」
「そ、そう……なんだ」
あの暗いオーラを纏っていた彼女の姿はもう無い。けど、感情豊かな所は変わっていないようだった。
悲しい時は悲しみ、楽しい時は楽しみ、怒る時は怒る。そういった感情がはっきりとした人である事がこの時初めて分かった。
「ゆっ君! えい!」
「ちょ! えっと……。」
いきなり不意を付き、僕の腕を掴み引っ付いてくる。
「もう我慢しないって決めたもん!えへへ」
「誰かに見られたらどうするの!」
「もう遅いと思うよ?」
「ま、まさか」
一緒に腕を組みながら登校しているのを後から見ていたのは、
「何やってるの? 私というものがいながら」
ゴキッバキッと手を鳴らしながら怖い表情で見てくる輝色ちゃん。
「朝から何やってんのよ!
「という訳で、
「嫌!」
「子供じゃないんだからさ」
離してくれるよう説得すればするほど、僕の腕に胸をわざと押し当ててくる。本当に我慢も何もしなくなって、好きになってくれるようアピールしまくっている。
「あんたね! 私達に無いもの使って! ってあれ悲しくなってきた」
「負けないで! 胸の大きさより中身よ中身!」
どうやら
「僕は
「分かった……離す……」
涙目になりながらも、どうやら理解してくれたようだ。僕も一安心。
「じゃあその代わり、高校卒業したら結婚してくれる?」
前言撤回、駄目だこりゃ。
「なんでそうなるの!」
「じゃあ、付き合って!」
「いや、説明したと思うけど。返事ならまだできないんだって」
「じゃあ今度ある文化祭でデートして!」
「それなら、まぁってえ!」
それを聞いた
「そんなの駄目に決まってるでしょ!」
「そんなの駄目に決まってるでしょ!」
二人共同じ言葉を並べ、3人共に目が血走る。すると、僕の意見も聞かずに
「こうなったからには仕方ないですね。ここは公平に、私達全員と1日ずつ文化祭デートしてもらう他ありません!」
「異議なし!」
「異議なし!」
さっきまで対立していた彼女たちの心は、たった今僕の意思を尊重せずに決定した。
順番はじゃんけんをした結果、
ちなみに文化祭の期間は3日間あり、様々な模擬店の出し物、パフォーマンスなど様々。
果たして、彼女達との文化祭はどうなってしまうのか。
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