第81話 改めて
目が覚めるなり起きた
危険も無くなり、状況を理解するうえでも、落ち着いて情報を交換、共有した方が良いと爺さんに勧められたからだ。
ゼーンと爺さんから一応おおまかなところは聞いていたが、ゼーンが俺と一緒にいた間の事、爺さんと会った経緯までは全くもって知らないままだった俺は、
そして聞かされた綱渡りのような状況が連続する内容に思わず顔がひきつった。
実際、一度は死んだと思ったし、命の危険を何度も感じたが、人から聞かされると背筋が冷える。
同時に皆への感謝の気持ちが改めて
「ゼーン、ジェミオ、アルミー、ゼーンの親父さん、爺さん。命を
"オレはオレが一緒にいたいからだって云ったろ。"
ゼーンが足元でぱたぱたと尻尾を振りながら云う。
「俺達がお前を死なせたくなくて勝手にやったんだ。あんまり気負うな。」
「逆の立場ならヴェルデも助けようとしただろう? 同じだよ。」
ジェミオとアルミーがそう言って笑ってくれた。
"我が子が半身として選んだのだ。助力は当然の事。それに我が一因でもあるのだ、気にするな。"
ゼーンの親父さんが尻尾をゆらゆらと揺らしながら云う。
"結ばれた縁を大切にせよ。"
「……、ああ。」
そう爺さんの言葉が聞こえた時、そっと頭を撫でられたような気がして小さく返すのが精一杯だった。
なんだか気持ちが
俺は
◇ ◇ ◇
俺が
「じゃあ、お前、夢の中で何日も鍛練してたのか。」
「夢の中なんて言い方をされると楽しそうな響きだが、あれは鍛練という名の
「拷問って、そんなに厳しい内容だったのか?」
遠くを見ながら言うと、アルミーが訊いてくる。
「厳しいとか以前の話。あらゆる属性の魔法だけじゃなく、剣や体術まで使って攻撃されて、魔力が枯渇するか攻撃くらって意識が飛んで、目が覚めたらまた攻撃されて。何日も延々とそれを繰り返されて。あれを鍛練って言うなら、普通の鍛練なんか、子供のごっこ遊びだろ。」
俺の答えを聞いたジェミオとアルミーは何とも言えない表情になる。
"手加減しては身にならんと言っただろう。"
やれやれといった雰囲気で爺さんが割って入る。
「趣味で人族の最強、『剣聖』や『拳聖』そのお
"…。"
俺の言葉の最後に
いつも余裕見せてるが、そうそう思いどおりになると思うなよ。
「爺さん何だかんだ言いながら、技を出すの楽しんでただろう。とんでもない攻撃仕掛けながら、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます