第42話 事情(side アルミー)
ヴェルデの体に
「これは
「竜王よ!
ジェミオと同様に信じたくない考えが浮かび、竜王へ問う。
“落ち着け。飲ませたのは私の血だ。先程までは急激に増加する魔力に、自身を
次から次へと本当に心臓に悪い。
“変化が落ち着き、血と魔力に馴染むまではこの者が目覚めることはない。もう日も暮れる。何もない
そう
この場所は魔法でも掛かっているのか、ぼんやりと明るく、状況が状況だっただけに今の今まで
だが時間の経過を認識した
“
“そのように気に
“
改めて礼を
“
竜王の言葉にジェミオと顔を見合せた。
「そんな事情が…ではやはり
“いや、そんな話は聞いておらぬぞ?”
ジェミオの呟きを竜王が否定した。
「そうなのですか?」
“ああ。元々あの者達は里に戻る途中、奥方の体調が思わしくない故にこの森で休むだけのはずだったのだ。だが私の用意した結界の中で産気付いてしまってな。どうにか無事に子が産まれたが、奥方の体調が戻らぬため、そのまま養生しておるのだ。”
「…そうですか…」
子銀狼の事もある。状況的にすぐに移動するというのは無いだろう。住み着いた状況での対応が必要になるということだ。
“ふむ。そういえば、このような状況になった経緯を聞いていなかったな。貴殿等、聞かせてくれんか?”
考え込む俺達に竜王が訊いてきた。
そういえば、ヴェルデを助けることで一杯になってこれまでの話は一切していなかったと、今更ながらに気づく。
「我々の本来の目的はこの森で起きていた異変の調査です。」
ジェミオと俺は
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