第33話 銀狼 2
この者達の目的は何なのか。
その
しかし、今我が
一の子は
実際、結界の中へはかの
例え我が子であっても出ることは出来ても、入ることは叶わぬ場所なのだ。
それを理解している一の子は、どうすべきか考えている様子だ。
その間、人族の者達は言葉が通じていないのかと、改めて我等の元への案内を
「なあ、俺達、お前の父さんと母さんに会いたいんだ。頼めるか?」
始めに話し掛けた人族の者が、一の子に我と
どれ、
我は本来の
すると三人のうち二人は辛うじて耐えて見せたが、一人の者は崩れ落ちた。
我の魔力に耐えきれず、息もままならぬ様子だが意識だけは
この者こそが命を助けた者だと。この者を害するならば、我であっても許さぬと。そう怒りと共に風の魔法をぶつけてきたのだ。
我は一の子の成長に驚き、喜んだ。
我は放つ魔力を抑えると、
一の子はその
人族の者達の呼吸が落ち着いたのを見計らって『
“いや、すまん。我が子の安全を図るつもりだったが、人族の身には過剰だったな。”
突然届いた声に、
「うわ、でかい。…え、
我は
“ワッハッハッ、何を言うかと思えば。
そう礼を述べ、
「いや、助けたのは偶然で…えと…初めまして、……でいいのか?」
そして不安げに残りの人族の者達を見たが、残った者は
だが、
「…お前、動じないにも程があるだろう?」
「こんな状況で普通に会話が出来るってどうなんだ?」
しかし、我の言葉に返事を返すは当然の事と
「どうって、
「いや、お前の
「ほんの少し前に死にそうになってたことや、
「なのにお前ときたら、大きさに驚いた後は
その後、
“フッ、ハハハハ。本当に
「
「同じく失礼ました。私はアルミーと言います。」
「俺はヴェルデ、です。失礼しました。」
一人が頭を下げると、残りの者も
そして
なかなかに見所のある者達よ。
このような者達であるならば、話しぐらいは聞いてやっても良いだろう。
“ふむ。魔獣である
そう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます