第32話 銀狼 1
連なる山脈に沿い、深い森を進む。
我は
だが、その
我が
里のある北の山へ続く、最後で最大の森に辿り着いたところで、精霊達からかの
かの
精霊たちの助力も得て、なんとか無事に三つの子が生まれたが、旅の疲れもあったのか、
今の
幸いにもこの森は広大で深い。
獲物となるものも多く、
そうして森で過ごし始めて子が狩りに興味を持ち始めた頃、やんちゃな一の子が結界の外へ出てしまった。
本来ならば意識して魔力を通し抜けなければ出ることが叶わぬ筈の結界を、あろうことか転移の
転移は我が持つ
始めて使った転移であればそう遠くまでは行かぬものなのだが、一の子はどうやら少々規格外だったらしく、近くにその
精霊達にも助力を
まだ狩りをしたこともない
生けるものが狩られるのはこの世に生きるもの全ての
◇ ◇ ◇
ところが、その日の日暮れ頃、一の子が我を呼ぶ声が聞こえてきた。
実際に音として響いたわけではない、
我ら
我らの声は精霊の力を呼び荒ぶらせる。
故に大規模な魔法を行使する場合を除いて、全ての意志疎通は『
届いた
取り敢えず
一の子は助けたその人族の者が大層気に入ったらしく、すぐにその者の元へ行こうとして、我や
がその翌日の日が高く上った頃、
我は直ぐに後を追わず、一の子の
一の子の転移した先には三人の人族が居り、一の子の
もし我が子を手に掛けようとするのであれば、只では済まさぬと思い構えておれば、人族のうちの一人の者が我が子に話し掛け始めた。
「昨日、俺達が会ったのはお前か?」
人族には我等の『
だが人族の者は一の子の様子で理解したらしく、他の人族の者にどうするかを訪ねていた。
人族の者達は一の子に向き直ると、
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