第31話 重圧
「なあ、俺達、お前の父さんと母さんに会いたいんだ。頼めるか?」
そう頼んだところ
「反応は偶然なだけで、通じてないのか?」
「ヴェルデの言葉を理解しているように見えたんだが…。」
アルミーも言葉を
そんな二人の言葉を聞き流しながら、俺は
するとまた虚空を見上げ、激しく尻尾を振り始める。
次の瞬間、
「「「っ、!? 」」」
突然現れた強大な魔力の
大きな足で踏みつけられているかの様に、身体の自由が効かないばかりか、呼吸すらままならない。身体中から冷たい汗が噴き出した。
ジェミオとアルミーの二人ですら青い顔をして片膝を着いているのが、
数秒なのか、数十秒なのか、感覚が狂い、息の出来ない苦しさに涙が
脳が熱くなり、視界が
「、っ、ひゅっ、かはっ、はっ、げほっ、ごほっ…」
空気を求め、急激に息を吸い込み
「…っ、ヴェルデ…大丈夫か?」
自分も息が乱れたままだと言うのに、ジェミオが俺に声をかけ、背中を
「ごほっ、げほっ…っ、はぁ…はぁ…。」
すでに普段通りの呼吸に戻ったジェミオと、呼吸を整えたアルミーと目が合い、互いに
右手にしっとり温かくざらざらした感触と、柔らかな毛が触れる。
視線を向けると、
“いや、すまん。我が子の安全を図るつもりだったが、人族の身には過剰だったな。”
唐突に頭に響く男の声に驚き、背後を振り返る。
そこには見上げるほど大きな
「うわ、でかい。…え、
無意識に出た言葉に、男の笑い声が響く。
“ワッハッハッ、何を言うかと思えば。
そう言って頭を下げた後ニヤリと笑った…らしい。
というのも、
「いや、助けたのは偶然で…えと…初めまして、……でいいのか?」
さっきの
が、二人からの返事はない。
二人を見ると、
ん?
「二人ともどうしたんだ?」
「…お前、動じないにも程があるだろう?」
「こんな状況で普通に会話が出来るってどうなんだ?」
二人に向き直り改めて声を掛けると、
「どうって、
「いや、お前の
「ほんの少し前に死にそうになってたことや、
「なのにお前ときたら、大きさに驚いた後は
二人はそう言って、やれやれといった
普通に会話することになったのは状況からやむ無くだと訴えたら、驚きの理由からの
ちょっと待て、俺が悪いのか?
“フッ、ハハハハ。本当に
俺達の話しに
どうやら放置して怒らせる事態は
ジェミオが姿勢と口調を改め
「
「同じく失礼ました。私はアルミーと言います。」
「俺はヴェルデ、です。失礼しました。」
アルミーと俺もそれに習って頭を下げた。
ちょっと不自然になった事は気にしてはいけない。
“ふむ。魔獣である我に名を名乗り、頭を下げるか。礼儀を知る者よ。
そう言うと
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