第18話 嘘吐胡桃
町に戻ると空気が慌ただしい。
見張りの騎士に訊いてみる。
「何があったんだ?」
「ヴェルデ、戻ったか。急病人が出たらしい。お前が戻ったらギルドに来るよう、伝言があったぞ。」
「分かった。急いで行くよ。」
◇ ◇ ◇
ギルドに入ると、ざわざわとした空気の中、カウンターの前で
「ヴェル! 早くこっちに来てくれ!」
集まりの中にいたフィオが俺を呼ぶ。
「一体何があったんだ!?」
「ミオスとミニスが
駆け寄り、何事か訊いた俺にアルミーが答えた。ミオスとミニスは孤児院にいる十歳の双子だ。
「
俺の問いに、ジェミオが答えた。
「それが、いつの間にか町の裏手に生えていたらしい。
だが、
一目では
見分ける違いは、
実の外見は全く同じで、
そして
放っておくと拒絶反応に耐えられなくなった体が徐々に壊死してしまう。
回復薬や回復魔法は逆に拒絶反応を強めるため、先に魔力を中和してからでないと使えない。その魔力を中和するには
だが…。
「こうして騒ぎになっているってことは、
「そうだ、さっき手の空いてる奴等に町中当たらせたが無かった。」
状況を理解した俺が確認すると、アルサドが肯定する。
「ヴェルデ、
「当たり前だろ。町から近い森の
「そうか。すまんがお前達、今から向かってくれるか?」
俺の答えに、
勿論、否と言うはずもない。
「ヴェルデ、大丈夫か?」
「ああ、慣らしも終わって問題なかったから大丈夫だ。」
ジェミオに確認され、頷いて答える。
アルミーも無言で頷き、動き出そうとした時だった。
「俺も行く!」
フィオが声を上げた。
「俺が一緒に行って
そう言って
「フィオ、行ってくれ。」
そうして俺達は用意された馬に乗り、森へ駆けた。
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