第15話 打ち合せ
無事ホリーに
階段を下りながら
声を掛けようとするが、それよりも早く二人が俺に気付いて手を上げた。
「ヴェルデ、こっちだ。」
短く刈った
「待ってたって、俺が
「そんときは別の誰かに声を掛けるさ。でもそんな事にはならないと思ってたけどな。お前もだろ?」
俺の言葉にジェミオが面白がって言う。
アルミーも
「ああ。魔法の師匠とも言える
そう言われると、返す言葉が出てこない。
なんとなく
そんな俺を見てくつくつ笑う二人の様子に
「明日は朝一の鐘で出発って言われてるけど、足はどうするんだ?」
訊くと、二人は笑いを納め依頼について話しだした。
通常、臨時の
「馬を頼んである。行き帰りの短縮もそうだが、何かあった時に一番早く戻ってこれるからな。」
「今回は森の状況の確認と、起きているであろう異常の原因調査だからね。出来るだけ詳しく調べる必要がある以上、向こうでの夜営も必要だろう。」
「取り敢えず、現地に二泊ってところか。夜営に適した場所があるか?」
「森の
夜営場所について訊かれたので、以前使ったことのある場所を答える。
「なら、そこで決まりだな。後は、消耗品なんかの補充だが、俺は一通り揃ってるから問題ない。直ぐでも出られるぞ。」
実際に使った場所と言うことで、夜営場所はそのまま決定する。続けて持ち物の話になる。
「こっちも装備品含め、薬も
二人ともいつでも出られると聞いて、明朝の出発が本当に俺の為だと理解する。
「俺、持ってくものは問題ないけど、剣を昨日折っちゃってさ。この後、親父さんのところに行く予定なんだ。悪い、二人を待たせることになる。」
二人に伝えながら自分が情けなくなる。
気落ちしていると、ごつごつした手が俺の頭をくしゃくしゃと撫で回した。
「ちょ、何すんだよ!」
「何落ち込んでんだよ。お前が
「俺たちは昨日まで
二人に言われて気持ちが軽くなる。
「分かった。じゃあ、親父さんのところに行ってくる。明日は一の鐘が鳴る前に、門のところでいいんだよな?」
「ああ。じゃあ、明日な。」
「親父さんに
そう言葉を交わし、ギルドを出た。
俺もまだまだだなあ。
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