第14話 ギルド長からの依頼
「引き出すのが全額とはどう言うことだ?」
アルサドが低くなった声で訊く。
二人はリュネさんの
「…えっと『剣を買うなら今持てる最上の物を選べ』ってリュネさんから助言を
「金貨十五枚って、大金じゃねぇか。お前、それで納得したのか?」
「ああ。リュネさんの話を聞いて、親父さんが選んだんだ。きっと今の俺に必要で、あの剣じゃなければ
俺の答えを聞くと、二人は納得した様子で
そして
「ヴェルデ、ひとつ依頼を
「え? どう言うこと?」
突然の展開に反射的に訊き返す。
要領を
「昨日、お前が
どうやら昨日の
森に行く機会の多い俺に声が掛かるのは解るとして、調査を一人でとなると何かあった時に
そう考えて
「
「もちろん、お前一人で行かせる訳じゃない。アルミーとジェミオが同行する。」
「解った。出発はこの後
「いや、明日の朝一でいい。森に分け入ることになるんだ、それなりの準備がいるだろう?」
「まあ、剣の事もあるし時間に余裕があるのは助かる。」
出発時間も余裕をみてくれたらしい。
でもあと一つ疑問が残る。
「
「何だ? 一つと言わず、気になることは聞いておけよ。」
「うん、訊きたいのは、何で金まで貸してくれるんだ? それも無利子で報酬とは別なんて、普通無いよな?」
俺が訊くと、ギルド長はそんなことかという顔をした。
「金を貸すのは、お前が依頼を受けるのに
「森に入るのに武器が無い、金が無くて十分な準備が出来ないじゃ、死にに行くようなもんだ。つまり、お前を死なせる気はないってこった。」
ギルド長の答えに、アルサドが補足した。
そうか、心配してくれたのか…でも。
「折角だけど、金は借りない。」
俺がいうと二人は
「親父さんが
俺は二人の
「お前がそんな
「やれやれ、本当に頑固なやつだよ、お前は。」
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