第9話 一番の剣
「
親父さんは改めて説明してくれた。
強靭な体と膨大な魔力を持ち、その知性で魔法をも使う最強の生物と言われる
だが俺が聞きたいのはのは
「いや、ちょっと待ってくれ親父さん。確かに
「魔力を通せる一番の剣を望んだのは
「…言った…確かに言った。でも俺は『俺が持てる剣で一番の
驚きすぎて
「
親父さんはそう言って口の
その言葉と表情に、俺は大きく息をついた。
「……はぁ。こんなに驚いたのいつ以来だ? もし使いこなせなくても怒んないでくれよ?」
「馬鹿言うな。
気を落ち着けようと冗談めかすと
でも、親父さんが選ぶ剣に間違いは無い…か。
ところでこの剣いくらだ?
良いものがお高いのは
「分かった。
「金貨で十五枚。」
「……」
金額を聞いて固まった。
でも俺が持てる剣として出されたんだから、もう少し優しい値段を期待した俺は、決して悪くはないはずだ。
…俺の全財産
「
沈黙したまま悩む俺に、親父さんが言った。
そしてリュネさんの言葉を思い出す。
『ヴェル坊、剣を買うなら今手に入れられる最上の物を選びな。』
彼女が言うのはきっとこの剣だ。
であるなら答えは一つだけ。
「親父さん、
「払えるのか?」
「足りなければギルドに借りてでも用意する。」
俺の目を見て訊いてくる親父さんに、真っ直ぐに見返して答えた。
「今払える分だけ持ってこい。残りは稼いで払え。」
そう言うと親父さんはカウンターの上の剣を
俺は黙って頭を下げると、
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