第7話 side リュネ
最近、
だが、
先日みた夢でも、濃い霧の中で男が森の奥に向かって歩みを進めている姿が見えただけで、はっきりしたことは何も解らなかった。
アタシの
本当に面倒な
そんなことを考えながら、店を開けていつものようにカウンターで
この子には珍しく、鐘の後に起きたらしいね。
◇ ◇ ◇
「それ以上は覚悟してから考えなよ、ヴェル坊。」
「…あ、はい。なんでもないです。リュネさんは今日もお綺麗だなと。」
挨拶したあと、余計なことに思考が流れたらしい様子に釘を刺すと、慌てて誤魔化してきた。
「まあ、誤魔化されてあげるよ。」
そう言うと、ホッとした顔を見せたかと思えば、何やら複雑そうな顔をして、どうせ人のことを勘が良すぎるだとか考えているんだろうよ。
「付き合いの長い連中なら、あんたの考えることなんてお見通しさ。」
アタシの言葉にがっくりと
しょうのない子だよ。
「ところで今日はどうするんだい。」
「今日は
話を変えて訊いてやると、昨日折れた剣の代わりを探すと言う。
「…ふうん、そうかい。剣がね…。」
この子は剣の腕も人並み以上だし、そう折れたりなんてしないはずなんだけどね。
この
そこまで考えたところで、
どうやらこの子が関わるのは間違いない、と言うより
いくら不穏なものでは無いといえ、感じる
「ヴェル坊、剣を買うなら今手に入れられる最上の物を選びな。」
店を出ようとする背中に告げると、振り返って真っ直ぐな眼差しでアタシを見てくる。
大事なときには絶対に相手から目を逸らさないのも昔から変わらない。
「分かったよ。ありがとう、リュネさん。」
あの子に精霊と星の加護がありますように。
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