第4話 もう一人の幼馴染
「頑張ってるフィオなら、きっと出来るよ。」
声のした方を向くと、リーリィと同じ受付係のホリーがいた。
「ああ、もちろん次は勝つ!」
フィオは掌を握り締めそう返した。
「ホリー、もういいの?」
「はい、ちゃんと休んだので大丈夫です。」
気遣うリーリィにホリーは微笑んで答える。
相変わらず見ていると安心する笑顔だ。
彼女も俺の幼馴染みで歳は一つ下だ。
どうやら
「ヴェル、手続きするから見せて。」
ホリーに言われて
内容に問題がないことを確認すると、カウンターの奥へ行き、契約報酬の入った皮袋を手に戻って来る。
「はい、報酬。今回も薬草の状態が良かったって。」
「そうなるよう採ってるからな。」
「それが当たり前のように出来るのが凄いんだよ?」
そう言って皮袋を渡してくれたホリーは、自分の事のように嬉しそうにしている。
フワフワとした雰囲気で
「ヴェル、変なこと考えてない?」
そして彼女は勘も良い。
「いいや、今日剣が折れたんで、新しい剣にいどのくらい回せるかなぁって考えてた。」
バレたら大変なことになる。
とっさに思考を切り替えて答えた。
新しい剣の事も気にしていたのは事実なので、
「え、剣が折れたって…お前何やってんだよ。」
俺の言葉にフィオが呆れたように言う。
「
ホリーが改めて
「そう、出たのがちょっと大物でさ。仕留めた後、抜こうとしたらポッキリ
「もう、また無茶な使い方したんでしょ。ヴェルはいつもそうなんだから。
別の意味で大丈夫じゃなかった。
軽く流すつもりが、
こうなると
フィオはさりげなく距離を取り、知らぬ顔をしている。薄情者と言いたいが、逆の立場なら間違いなく同じことをするのでしかたない。
「ヴェル、ちゃんと聞いてる?」
「あぁ、聞いてる。」
夕食が恋しくなっているのが分かったのだろうか。
とりあえず
「ホリー、もうその辺にしておきなさい。ヴェルが空腹で倒れるわよ。」
「その、無茶しないように気を付けるからさ。」
苦笑しながら言う俺を見て、ホリーは大きな溜め息をついた。
「もう、本当に気を付けてよ。」
そう言うと、やっといつもの笑顔に戻ってくれた。
まわりの連中に声をかけられ、挨拶を返しながらテーブルに着くと、フィオに酒を一杯だけ奢り、
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