第5話 ロースという名のラスボス


男の腹はすでに三分の一程満たされている。肉以外のおかずが予想を超える是絶品だったからである。


ナムルはほうれん草、人参、もやしの三色の彩りにごま油が程よく加えられている。


ナムルからわかめのスープまでは良かった。しかし、ここにキムチという中ボスが現れる。


キムチは韓国系の辛めの味付けだが、口の中にわずかな辛さとは別の旨味を感じる。


キムチ冷奴は、キムチの辛さを核に冷奴の味を最大限に生かしている。


この二つのキムチはまたごはんとの相性が抜群だ。それゆえ、男の腹が満たされていくのであった。


すでに空っぽの茶碗を置き、一枚肉を焼く。


焼けた肉をタレへと移し、食す。


『旨い』___。 


ただただ男の頭の中にこの言葉が浮かぶのであった。




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