第3話 出会い


男は珍しく今日はいつもの正午の時間に昼休みを取ることができなかった。


男はいつもと違う時間に休憩を取る。


お昼時間のピークを終えたオフィス街は閑散としていた。


昼とおやつの間の空白の時間。時刻は14時だ。


コンビニへ行くが、売れ残りがほとんどない。


いつも行っているファストフードレストランは皆そろって店舗移転で今日からしばらく閉まっている。


同僚たちとたまに行く定食屋も夜の仕込みで店を閉めている。


男はただ空腹を満たしたい。ただそれだけなのに空腹を満たせない。


男は少し苛立ちながら歩いていると、美味しそうな匂いがしてくる。


蒲焼きか焼き鳥か。なにか香ばしい匂いが男の花を漂わせる。


この匂いは裏路地からの匂いだ。 


匂いの方向へと男は辿るとそこには小さな焼肉屋があった。

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