第174話 ビビりな友人

友人は驚くほど臆病だ。

今日も何もない床を指して怯えている。

ビビりだなと笑うと友人は神妙な面持ちで言った。


「じつは俺、幽霊が見えるんだ」


――冗談ではないらしい。

揶揄って悪かった、何がいるんだ?と訊ねると友人は青い顔で眉をハの字にした。


「ダニの幽霊!」


…ビビりだな。

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