第173話 事故現場の向日葵
夏の初めに事故に遭い、退院する頃には夏も終わりに差し掛かっていた。
家に帰るには事故現場を通らなくてはならない。
そこで私は無言で立ち尽くしていた。
べつにトラウマが蘇ったわけではない。
萎れた向日葵たちの中で――あの日私の血を浴びた向日葵だけ、今も綺麗に咲いていたからだ。
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