第175話 好みの家

「わ、こんな建物あったんだ!」


散歩をしていると私好みの円筒形に屋根の付いた家が現れた。

玄関が開いている。

こんな素敵な家に住んでるのはどんな人なのだろうと思わず覗き込んでしまった。


影だけ赤いお婆さんが微笑みながら私を見ていた。


あの家にはあれから一度も辿り着けていない。

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