三章 焦り 七月二十九日 神崎満月
まだ智輝は、来ないのか、智輝を待ってる間に午前十二時なっていた。もう一時間も経つんだぞ、まさか怪物にやられたのかそんなはずは、自分で確かめに行こう。
満月「美琴、智輝を探してくるからここで奈菜と待っていてくれないか」
美琴「智輝君を探しにいくの?ちょっと遅いけど今、外に出るのは、危ないよ」
満月「わかってる、でも心配なんだ」
美琴「わかったよ、気をつけてね。」
満月「ああ、じゃあ行ってくるよ」
レストランを出て智輝の行った図書館に向かう。頼む生きていてくれ
図書館に着いた僕は、期待を裏切る様に目を覆いたくなる様な光景を目の当たりにした。
満月「そんな、、嘘だろ」
それは、転がり倒れる智輝の死体だった、、完全に冷え切っていて生き返ることは、もう無いだろう。とにかく今は、冷静になるんだ、、落ち着くために深呼吸して呼吸を整える。
満月「すーーはーー」
だめだ、恐怖がこみ上げてくる。早くここから出なきゃあいつにあの化け物に殺される、、焦りで思考が乱れる中、智輝の近くに本か何かが落ちていた。その本の内容は、誰かの日記で智輝の言ったとうり裁判で死刑にされた少年がいたと言うものだった。
あの怪物は、本当に死刑にされた子なのか?ここで考え事をしても仕方ない智輝のことを美琴たちに伝えてからこの旅館から出る方法を探すか。
僕は、着ていたパーカーを智輝に被せ、図書館を後にした。
美琴「智輝君いなかったの?」
満月「ああ、それなんだが、、、」
僕は、美琴たちに智輝が死んでいたことを話す。当然美琴たちは、そのことを受け止めきれずいる。
美琴「そんな智輝君まで、、、」
奈菜「私のせいだ、私が都市伝説なんてやろうとか言わなければ」
満月「でももう起こってしまったことだ、だから僕たちだけでもこの旅館から出よう。」
奈菜「でもどうやって、、、」
満月「その方法今から探しに行く、見つけたら伝えに来るからここで待ってて」
美琴「そんな、満月君まで危険な目にあったら」
満月「大丈夫だ、じゃあ今から探してくるよ」
そう言って僕は、またレストランを離れた。冷静さを保ってるつもりだけど僕が、一番冷静じゃないのかもしれない、でもこうしてないと気が済まないんだ、許してくれ、、翔太、智輝。
探索をつづけて一時間ぐらいするがやっぱりおかしい。ここ旅館なのに人の気配が全くないどうしてだ、、しかし客室の方から助けを呼ぶ声が聞こえた。
真二「おーい誰か、、このドア開かないんだ」
満月「大丈夫ですか!!今、外から開けてみます!」
開かないと言っていたドアは、外側からならあっさり開いた。
真二「助かったぜ、ありがとうな」
満月「いえ、でも今、外を出歩くのは、危険ですよ。」
真二「まさか、、お前も見たのか、あの化け物!」
満月「貴方も見たんですか、」
真二「ああ、なんであんなのがいるんだ。」
僕は、事情を話した、、この旅館から出られないことや智輝たちの事も
真二「つまりあの怪物のせいでこの旅館からは、出られなくてほとんどの人も消えたってことか、それでお前は、ここから出る方法を探しているんだな、、よし分かった俺の名前は、
満月「本当ですか!あ、僕の名前は、神崎満月です」
真二「よろしくな」
正直ひとりで探すのは、苦労しそうだったから仲間が増えるのは、嬉しい。真二さんは、高校生で友達と一緒に旅行に来ていて気が付いたら客室に閉じ込められていたらしい。この人は、僕たち以外に消えてない人だ、何かこの旅館と関係しているのか?それにしても情報が少なすぎるもっと探索して手掛かりを探すか。
くまなく探索をするが旅館から出る方法が見つからない。真二さんの提案で窓ガラスを割ろうとしたがこれもまた割れない。
真二「なんで割れないんだ!!」
満月「これも怪物の仕業なのか?」
真二「これじゃ進展なしだぞ、どうする?」
満月「諦めるのは、まだ早いです。他の方法も探しましょう。」
他の方法探しに探索を再開しようとした時、背後から物凄い轟音が聞こえた
真二「なんだ!!」
ノンタン「ああががかししじだだあああああに・・く・・い」
それは、明らかに様子のおかしい怪物の姿だった
満月「なんか様子がおかしい」
真二「そうだな、とりあえず逃げるぞ!」
しかし怪物は、逃げる猶予など与えては、くれなかった。大きく変形した腕で僕たちを握り潰す、全身に今まで感じたことの無い痛みが走る。
満月「うああがあ」
痛い痛い痛い、、、智輝たちもこうやって死んでいったのか、、、、いやだ僕は、まだ死にたく無い、、、クソっ、どうにかならないのか
怪物に僕の声は、届かない。全身の骨が砕け散って僕の命は、底を尽きた。
三章 焦り 終
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