一章  都市伝説ノンタン 七月二十八日 久保翔太

奈菜「都市伝説をやろう!!」

翔太「都市伝説!?相変わらずだな、奈菜は、」

満月「どんなのなんだ?」

智輝「満月、気になるんだ。」

満月「ちょっとね、奈菜の都市伝説の話は、面白いから。」

奈菜「話?話すだけじゃないよー、やるんだよ実際に!ノンタンて言うやつでね、このぬいぐるみに「ノンタンおいで」って言うとぬいぐるみが怪物になるんだ。」

満月「なるほど、じゃあそれを今からやるんだね。」

奈菜「そうだよ。じゃ、やるよー」


奈菜「ノンタンおいで」


奈菜がその言葉を発したあと辺りの空気が一気に変わる。

翔太「おい、、なんかやばくないか。」

ぬいぐるみがまたたくまに変形していく、ぬいぐるみは、もう原型をとどめていない。怪物になり果てたぬいぐるみは、こちらに語りかけてくる。

ノンタン「君たちが僕を呼んだね」

奈菜「おー凄い!!しゃべった!!みんな見てすごいよ」

ノンタン「僕ね人間が嫌いなんだ、、、だから人間なんて死んじゃえよ!!!!!」

怒り狂った怪物は、手を鋭利な刃に変形させて襲いかかってくる。

翔太「まずい!!逃げるぞ」

身の危険を感じた俺は、とっさに皆に声を掛けた。

すぐに皆ドアの方に向かったしかし奈菜その場にとどまったままだ。

翔太「どうした奈菜、、早く逃げなきゃ殺されるぞ、、早くしろ」

奈菜「どうして逃げなきゃいけないのこんな奇跡滅多にないでしょ」

翔太「目の前をみろ!あんなの奇跡でもなんでもないぞただの化け物だ!」

興奮していた奈菜が怪物のことをみつめる。

奈菜「何?・・・・これ」

やっと気がついたのか奈菜は、気絶してしまった。

その様子に怪物は、少しおどろいてる、その隙に奈菜を抱えて逃げた。

翔太「とりあえず、旅館を出よう」

智輝「でも、あの怪物は、どうする?」

満月「あんな怪物どうにも出来ないだろ、だから逃げるしかない、、」

美琴「出口ありましたよ。ここからでましょう」

しかし悲劇は、これからだった。出口のドアが開かない。

翔太「クソっ!!どうして開かないんだ、、」

力一杯蹴ってみるがびくともしない。しばらくどうしたら開くか考えていると、館内放送から怪物の声が聞こえてきた。

ノンタン「ここに居る人間たちに注告です。この旅館からは、出られません。そして今から鬼ごっこしましょう、僕が鬼でーす。僕に捕まったら死んじゃいます。全力で逃げてね。じゃ、今から30秒数えるよ。さんじゅう・・にじゅうきゅうー」

怪物が楽しそうに数えだす。

翔太「鬼ごっこってあいつふざけやがって・・・クソっ開けよ!!」

感情任せにドアを蹴るが開かない、、、。

ノンタン「ぜろーーーーーー」

怪物のカウントダウンおわった瞬間もの凄い轟音が響いた。

ノンタン「みーつけた、、、、」

まずいこいつ俺を狙ってる。奈菜を抱えて必死に走った。

翔太「必ず合流するから智輝たちも逃げて!!」

智輝たちそう告げ怪物から逃げる。

ノンタン「そんなん抱えて逃げずらいでしょ、置いていきなよ」

幸いなことにあの怪物、足は、あまり速くは、無いようだ。怪物の視界から逃れ、倉庫に隠れることができた。

翔太「なんとか逃げられたな。でも奈菜は、まだ起きないのか?流石に起きてもらわないと逃げる時厳しいよな、どうしよう」


置いてく

一瞬だけ怪物あの言葉が頭によぎる、いやいや流石にそれは、無いだろ。

でも俺だって死にたくは、無い、でも!!

恐怖に思考がやられていく、、、一人で逃げようと思ったとき奈菜が目をさました。

翔太「!!起きたんだ。」

置いていこうしたのを隠した口調で奈菜と話す

奈菜「あの怪物は、、、」

翔太「逃げてきたよ、でもここいても見つかるのは、時間の問題だ。」

奈菜「ごめんね。私のせいで、、、」

翔太「気にしないで、俺もこんなことになるとは、思ってなかったから。」

嘘をついた、、ほんとうは、全部奈菜のせいって言いたいけど奈菜に嫌われたく無い。だからこれでいいんだ。

奈菜「ありがとう。、、あれ?智輝たちは、どこにいるの?」

翔太「怪物から逃げるときにはぐれちゃったんだ、でも合流するって約束したから今から連絡しよう」

スマホを取り出しLINEを開いた。


翔太:なんとか逃げられた。今から合流するから場所教えて

智輝:無事でよかった。俺と満月と美琴は、一階のレストランにいる

翔太:わかった。今から行く。

智輝:怪物の仕業かわからないけど旅館全体が停電なんだ気をつけてこいよ


翔太「智輝たちは、一階のレストランにいるみたい。今からいこう奈菜!」

奈菜「そうだね、でも怪物には、合わないようにしなきゃ。」

翔太「うん、気をつけて行こう。」

俺たちは、倉庫から出て、智輝たちのいる場所に向かった。本当に旅館は、停電しているみたいだ、暗闇をスマホのライトで照らしすすむ。

しばらく進んでるうちに光る何かがみえた。

ノンタン「こんなところにいたんだ。」

この声は、あの怪物だ、まずい見つかってしまった。怪物の伸ばした手が俺を掴む。

翔太「うっ!!」

ノンタン「捕まえた。」

怪物の鋭利な刃が俺の腹部に突き刺さる。グサッ!鋭い斬撃音が辺りに響く

痛い物凄く痛い今までに感じたことの無い痛みだ。意識が朦朧とする中、

怯える奈菜の姿が見えた、まずいこのままだと奈菜まで殺される!

俺は、最後の力を振り絞り怪物の足にしがみつく。

翔太「今のうちに逃げろ・・・奈菜!!」

奈菜「そんな、、置いていけないよ」

翔太「俺のことは、もういい自分のことだけ考えて逃げるんだ、、早く!」

奈菜は、何も言わずに走っていった。これでいいんだ。

ノンタン「ちょっと!もう捕まってるんだから動くのは、反則でしょあのこ逃げちゃったじゃん」

翔太「ふんっ残念だったな。」

ノンタン「気に食わないねその顔」

俺は、怪物にもう一度腹部を刺され息を絶った。


一章 都市伝説ノンタン 終

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る