第3話 これが敵とか聞いてない

ふざけんな。

俺も冒険者とかなりたくないよ。

短所の寄せ集めえじゃねえか!

「これってどうにかならないんですかね?」

「えっと...レベルをあげれば転職が可能ですが、ほとんどの人はここで諦めて商業などを始めます。」

嘘だろおい。

ま、まぁ俺はレベルをコツコツあげることにするか。

「最初は才能で初期レベルが決まり、普通は10レベルくらいなのですが、あなたのレベルは...」

実はレベルは高い系だったり...

「4レベルですね」

ですよね。

わかってたけど、わかってたけど悲しい...。

さっさと登録してレベルをあげよう。

カレンに教えてもらい、登録してもらったあと、

「まさか冒険者とはね...」

「自分でも思ってもみなかったよ...」

「ま、まだ希望はあるよ!さっさとクエストを受けよう!」

多分年下に慰められながらクエスト掲示板を見て、

「バハムートの捕獲、キングオークの討伐、邪神シルドーの討伐、おかしいだろ。ここって駆け出しの街じゃないのか?」

「そのはずなんだけどね...。あ、これなんかどう?暴れるニワトリの捕獲だって!」

「捕獲クエストか。なら捕獲系のスキルを覚えたいな。スキルってどうやって覚えるんだ?」

「冒険者カードのスキル習得欄に色々スキルの名前が乗っているでしょ?そこを押すだけよ。それと、レベルの数がスキルの取れるスキルポイントの数だから。強力な魔法はかなりスキルポイントを貯めないとだめよ。」

なるほど。

「どんなスキルがあるのかなー。えーっと、鑑定、マッピング、罠設置、潜伏、敵感知...そうだな、レベルは4だから...鑑定と罠設置と潜伏と敵感知だな。一応罠にするロープとか買っていくか。」

そして、ギルドのお姉さんにこのクエストに行くと報告すると、

「気をつけてくださいね...」

「それじゃ、いってみよう!」


カレンに連れられ、指定された場所に行くと、暴れてるニワトリがいた。

何の変哲もないニワトリだ。

周りにクレーターができてるけど。

「何これ?」

「潜伏して行ってきなよ。」

「やだよこんなの。」

なんなんだこれは、意味がわからない。

「防御魔法かけとくから行ってきて。私のレベルは15だからある程度は守れると思うよ。」

「絶対嫌だよ、死んだらいやだし。自分に防御魔法かけて行けばいいじゃんか。」

「じゃあ、じゃんけんで決めましょ。」

なんでそうなるんだ。

「嫌ならいいけど、これ以外にましなクエストなかったよ?」

「しょうがない、死んでもらっても困るから俺が行くよ。」

たまには女の子の前でカッコつけるのもいいな。

「ありがとう。じゃあ、防御魔法かけるわね。」

そうすると詠唱を始め、

「『 シールド』━━ッ!」

体の周り10cm程に結界が張られ、自分が動くと自動で動くようだ。

潜伏スキルを発動させ、ニワトリの後ろに行って鑑定スキルでステータスを見ると、

「なんだ、雑魚じゃん。」

レベルは2だった。

ステータスも低かった。

俺はニワトリを捕まえ、戻ろうとすると、


パリンッ


鋭い音と共に、結界が破れた。

後ろを振り向くと、そこには...

またニワトリがいた。

時間が経ったから結界が破れたのだろうと思った俺はニワトリに近づくと、

「『 シールド』━━ッ!」

カレンが急に結界を張ってきた。

そこで俺はそのニワトリを鑑定すると


レベル:999

攻撃力:1億6000万

防御力:3億

すばやさ:1

魔法攻撃力:1億2100万

魔法防御力:2兆


「...」

詰んだ

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